表中、東京工業大トップは浅野の21人、次いで海城と東京学芸大附の各14人だった。一橋大トップは市川の15人、次いで聖光学院と麻布の各14人だった。
■早稲田、慶應への合格率トップはいずれも神奈川県勢
表2と3を見ていこう。近年は早稲田大、慶應義塾大にどうしても入りたいからと、文系学部を全部受けるような受験生は減っている。大学で学びたいことを決め、学びたいことを軸に併願プランを立てていくのが普通だ。
早稲田大トップは前年に続き聖光学院の67・0%だ。2位が女子校トップの桜蔭、3位は共学校トップの小石川中教、4位は合格者数でトップの開成、5位は女子学院だった。
一方、慶應義塾大のトップは浅野の66・9%で、2位は女子校トップの頌栄女子学院、3位は聖光学院、4位は攻玉社、5位は駒場東邦だった。共学トップは10位の渋谷教育学園渋谷だ。トップの浅野の合格者数は174人で、早稲田大合格者数の140人を上回っている。両大学の一般選抜総合格者数は、比にすると早稲田が8に対して慶應は5だから、早稲田大合格者が多くなるのが自然だが、浅野は慶應に強い。他にも攻玉社、駒場東邦など、慶應人気が高い学校もある。
早慶の違いで目立つのが、早稲田の女子校の躍進ぶりだ。早稲田ではトップ30に9校入っているが慶應は6校。これは入試科目に影響されているのだろう。慶應は入試科目に国語がなく、文系学部では小論文を課す学部や方式が多い。早稲田の文系はオーソドックスな英、国、選択科目の私大3教科型がメーンの学部が多く、受けやすさもあって女子校が強いこともあるようだ。バンカラなイメージが強い早稲田大だが、最近は女子学生の増加で、キャンパスの雰囲気が変わったといわれている。また、優秀な女子の獲得で、大学のレベルもアップしているようだ。
(文/大学通信・安田賢治)