情報があふれて正解がわからないこの時代。読書はさらにある力を養ってくれるそう。「読書を通して、他者の視点を知ることで、自分はどう考え、問いに対してどう答えを出すかという、まさに社会に出たときに必要な力を身につけることができるんですよ」と白坂先生。
子どもたちが本と触れ合う機会は、小さな頃はやはり親がつくってあげましょう。さりげない行動できっかけをつくることで、子どもは本に興味を示してくれるはずです! 具体的な方法を紹介します。
年齢にあった本の選び方
- 低学年 音やリズムの繰り返しを重視する
子どもが本に触れる機会をつくる第1ステップが0歳から小学校1、2年生ぐらいまでの「読み聞かせ」です。この時期のお子さんたちは耳から入った情報から言葉を覚えたり、想像を膨らませたりします。『はらぺこあおむし』や『もけらもけら』など、音(おん)やリズムの繰り返しが面白かったり、昔話などストーリーが単純だったりするものが、子どもにとって親しみやすくおすすめです。
- 中学年 ジャンルを広げる
この時期は、本を読む習慣化と語彙が豊かになる読書の黄金期に突入します。本を読む能力も上がり、主人公が冒険したり、不思議な世界に迷い込んだりすることに興味を示したり、科学物や、歴史など、本のジャンルを広げる時期になります。読み聞かせをしてあげるよりは、子どもの興味があるものの中心軸を崩さないようにしながら、新しいジャンルの本選びを一緒にしていきましょう。
- 高学年 視野を広げるものを
思春期の入り口に差しかかり、親が子どもの読書に関わる機会も減っていきます。高学年になるとある程度、自分の好きな本やジャンルが決まってきます。あさのあつこさんの『バッテリー』のような友情ものだったり、『シートン動物記』のような動物の命についてだったり、目に見えない本質的なテーマのものへと視野がどんどん広がり、深まっていきます。
(文/AERA with Kids編集部)
※AERA with Kids2022春号より転載