子どもも宿題はしないといけないとわかっています。しかし、鉛筆に手が伸びないのです。大人でもそうですが、何でも「取り掛かること」が一番つらい。高い心のハードルを越さないとできないことが、「何かを始めること」なのです。
だから、そのちょっとした初めの部分に寄り添ってあげてくれませんか。
お母さんが帰宅後の親子の行動をシミュレーションしてみましょう。
(1)母:「ただいま〜」子:「おかえり〜」
(2)母は、すぐに普段着に着替えて「一緒に宿題をやろうね〜」と言う(この間5分)。
(3)子どもは、お母さんが横についてくれるので「今日の宿題はこれだよ」とすぐに始める。母は、「今、こんなことをしているのね」と言いながら子どものノートを覗き込む(決して、前のテストの点数を持ち出したり、なんでわからないの、などと言わない。せっかく子どもがやる気を出しているのだから、気持ちをのせることが大事)。
(4)そばに座って、20分たったら、「ママは、ちょっと、ご飯を作るから、次に進んでおいてね」と言い夕ご飯の準備をする(ここまで、帰宅してから25分)。
(5)子どもは、面倒な取りかかりをお母さんと一緒にやったので、その続きは自分でできる。
(6)夕ご飯の後、宿題の続きは意外と気楽に始められる(もう取り掛かっているから)。
子どもには「お母さんが帰ってくるまでは、ゴロゴロしてのんびりしてね」と声をかけてください。子どもは堂々とゴロゴロしますから、疲れはきちんと取れてしまいます。
親も仕事で疲れているし、コーヒーやお茶で一息入れたいかもしれませんが、そこは大人の貫禄で、着替えたあとすぐに子どもの横に座る。そのことを習慣化すると、子どもは、親が帰ってくるのを心待ちにします。
初めはつらいと思いますが、新しい習慣を生活の中に入れるということはそういうことです。まず、親が変わる努力をすることです。
横に座る目安は20分です。これは私の感覚ですが、宿題の取り掛かりの寄り添いは10分では短すぎ、30分では長い。毎日の習慣にするには20分が親子両方にとってほどよいのです。
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