「スケジュールって、ハンバーグと同じなんです」。そう語るのは、4人の子ども全員を東大理三に合格させた母・佐藤亮子さん。この比喩には、子どもの苦手を上手にほぐし、やる気を引き出すための知恵が込められています。中学受験カウンセラー安浪京子先生との共著『中学受験の意義 私たちはこう考えた』から一部を編集してお届けします。

 子どものスケジュールは親が作りましょう、と言うと「私は段取りが苦手で」と言うお母さんがいますが、最初からうまい人なんていません。それにスケジュール管理法を教わっても、家の状況や子どもの年齢、子どもの性格などで違ってきますし、教わった通りにうまくはいかないものです。

 スケジュール管理に関しては、親の得意不得意とは関係ありません。みんな子育ては初めてですし、とにかく試行錯誤あるのみです。

 うまくいくかはわからないけど、「とりあえず」書いてみる。子育ては、この「とりあえず」精神が大事なんです。

 何でもやり始めると、立派な形で完成させようと考えがちですが、そのようなパーフェクトなゴールは自らを追い詰めます。結果はともかく、気楽に「とりあえず」やってみてください。

 1回書いてもうまくいかないことも多いですから、その都度「明日はもうちょっとやることを減らそうかな」とか、「スタートの時間を早めようかな」と考えながらやってみる。それに、同じ宿題をやるにしても、きょうだいによってペースが違うから同じようにはいかないんです。

 長男のために作ったものが良かったから、そのまま次男に使おうとしても性格が違うからうまくいきません。

 次男には次男に合わせたものを作ることが大事なんです。それぞれに合わせて作っているうちに、親も作るのが上手になりますから、ぜひ試行錯誤を繰り返しながら子どもたちの反応を楽しんでください。

 子どもの体調も毎日変化しますから、子どもの様子をよく観察して無理をさせないように注意してあげてください。その微妙な差をキャッチして調整できるのはやっぱりお母さんしかいないのかな、と思います。

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佐藤亮子
佐藤亮子

さとう・りょうこ/4人の子ども全員を東京大学理科三類に合格させた実績を持つ教育・子育てアドバイザー。著書に『佐藤ママの子育てバイブル 学びの黄金ルール42』(朝日新聞出版)、安浪京子さんとの共著『中学受験の意義 私たちはこう考えた』(朝日新聞出版)など。

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