“受験の合否”か“家族の在り方”か

――小説『問題。』は、受験の結果よりも家族の在り方に焦点を当てることで、中学受験そのものが悲劇に転じることを少なくしている。それは物語としては、非常に理想的な形となっているが……。

東田:ちょっと嫌みな言い方なのですが、中学受験をする家庭が成績とか不合格といった要素を排除して“家族の在り方が再構築されればいい”という思いで実際に挑めるかというと、大半の家庭はそうはいかないのではないか。

早見:多くの家庭では、成績や合否に一喜一憂するのが現実だという自覚は、書いているときからありました。しかし、僕が書きたかったのは、“中学受験が目的じゃない”ということ。娘の幸せな人生こそが目標であり、中学受験はその手段でしかありません。それはキレイ事としてではなく、本気でそう思っています。

 また、“中学受験にハマりきれない親の心を軽くさせてあげたい”という思いもありましたので、東田先生の著書を読み、「受験にハマれない親の救いになる」という共通点も感じました。

(文/長谷川拓美・朝日新聞出版DXIP戦略本部)

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