なぜ学校で育てている朝顔を家に持ち帰るのか

 学校で育てている朝顔を夏休み前に家に持って帰る理由は、教育的・実務的な理由があります。

教育的な理由(学習の一環)

(1)植物の成長を観察し続けるため

 朝顔は夏にかけて大きく成長し、花を咲かせます。夏休み中も毎日水をあげたり、つぼみや花の変化を観察したりすることで、植物の成長を実感できます。

(2)生活科の学習内容の定着

 低学年の生活科(1・2年生)では「育てた植物を観察しよう」という単元があります。持ち帰って毎日世話をすることで、学習を実生活に結びつける目的があります。

(3)責任感を育てる

 毎日自分で水をやり、枯らさないように育てることで、物事に対する責任感や習慣づけが身につきます。

(4)家族とのコミュニケーションのきっかけになる

 朝顔の世話を通じて「一緒に水をやる」「きれいに咲いたね」といった親子の会話が生まれます。

実務的・学校運営上の理由

学校の閉庁日は、学校に誰もいないため

 学校で育てると、水やりができなくなり、植物が枯れてしまう恐れがあります。(夏休みは、すぐに土が乾いて枯れてしまうので、土日や閉庁日も水やりに学校に行く先生もいます。私も、2年生を担任していたとき、サツマイモの水やりをしによく行きました)

 まとめると、朝顔を家に持ち帰るのは、学習の継続、責任感の育成、植物の命を守るためです。子どもが日々の生活の中で自然とふれあいながら、「育てることの大切さ」や「変化に気づく力」を身につけることを目的としています。

なぜ朝顔なのか?

 朝顔を育てるのには、いくつかの教育的・実用的な理由があげましたが、他の植物と比べて、朝顔が選ばれる理由があるのではないかと思います。

朝顔を育てる理由

(1) 成長が早くて分かりやすい

・種をまいてから花が咲くまでの期間が短い(1〜2か月)
・変化(芽が出る、つるがのびる、花が咲く)が毎日見てわかる
・子どもが成長を実感しやすい

(2) 育てやすくて失敗しにくい

・朝顔は日本の気候に合っていて、強くて丈夫
・小学1年生でも水やりなどの世話がしやすい

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