日常生活のあらゆるところにAIが浸透し、ここ数年で私たちのライフスタイルは大きく変化しています。親世代が生きてきた価値観とは異なるなか、これからのAI時代を生きる子どもたちにはどんな力が必要になるのでしょうか。子どもをサポートするときに親が持っておきたいマインドは? 「メシが食える大人に育てる」を理念とする花まる学習会代表・高濱正伸さんに、AERA with Kidsアンバサダーで東大卒ワーママのyuuさんがインタビューしました。新連載「AERA with Kidsアンバサダーが全力取材! 子育てのギモンをぶつけてみた」第1回前編をお届けします。※後編<「忙しい親が“文章題”を見てあげることから不幸が始まる」教育のプロが語る理由とは? 東大卒ママと対談>に続く
【表】学力の高い家庭がやっている生活習慣はこちら人間にしかできない“ストリートファイトする力”
yuu:今日は以前から大ファンで、同じ東大農学部の大先輩である高濱先生にお話をうかがえて光栄です! 私は企業人事のコンサルとして社会人の育成にたくさん携わっているのですが、社会人として自由な発想が求められる中で、それができずに苦労する方が多いなと感じます。実際に今でも小3の息子の教育環境を見てみると、まだまだ先生が決めたことに沿って考えるのが前提で、外れたことは求められていないのが現状です。教育と社会で求められる力にすごく乖離があると感じています。
高濱:それはすごくあると思います。社会はイノベーションを求めているけれど、それが起こせるような教育を受けていないんです。
yuu:イノベーションの最たる生成AIがさらに進化する中で、子どもたちはどんな力を磨いていけばいいのでしょう?
高濱:合理的な判断はすべてAIができるような時代に、何が残るか? 以前お会いした宮澤弦さん(LINEヤフー株式会社 生成AI統括本部長)は、“ストリートファイトする力”だと表現していました。
yuu:「サバイブする力」ということでしょうか?
高濱:その通り。人間同士はAIと違って合理で動くわけではないですよね。だから、「人を巻き込む」とか「真剣に向き合う」とか、「押しの強さ」とか「魅了する」とか。そういった人間同士にしか生まれない力が必要になっていくのではないではないかと。
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