それから、何かをつくるためにお金を使うのもいいと思う! よしおは、小学5年生のときにフェルトでお財布を作ったんだけど、好きな色を選んだり、「Y.K.」ってイニシャルを糸で縫い付けたりしたことが、楽しかった思い出として今も残っているよ。
海外の哲学者(簡単に言うと、身の回りの出来事や疑問を、深く考えて突き詰めていく人のことだよ)のエーリッヒ・フロムという人が、これからは「経済的な豊かさよりも“心の豊かさ”が大切になる時代」と言っていたんだ。つまり、お金でモノを買うよりも、農業とか芸術とか、自分で何かを作り出すことに幸せを感じる人が多いんじゃないか、ってこと。
お金を何にどう使うかで、感じることが大きく違いそうだね。
「わからない」は絶好のチャンス!
よしおは、まーたんが「お金の使い方がわからない」って素直に言えること、そしてよしおに相談して答えを見つけようとしている姿勢がすごくいいな、って思ったよ。
「わからない」って、実はなかなか言えることじゃないと思うんだ。なぜなら、なんとなく知っていることって、誰かに聞こうと思わないし、調べることもあまりしないと思う。「わからない」って思うことは、実はすごいチャンスでもあるんだよ。わからないからこそ悩むし、考えるし、知ろうとする。その途中でいろんなことを吸収できる。まーたんのこの時間は、チャンスタイムだ!って思ったんだ。
「わからない」って言えること、そして解決するために悩んで考えようとする探究心を、これからも大事にしてほしいな。
いろんなアイデアを出してみて、お金の使い方を考えることは、心の充実を知ることなんだな、って気づいた。まーたんの相談のおかげで、お金の使い方や価値について、あらためて深く考えることができたよ。大事なことに気づかせてくれてありがとう!
そしてよしおは将来、誰かのためにお金を使える人になりたいな、って思った。素敵なお金の使い方ができる人をめざして、一緒にがんばろう!
……って、僕は思うんだけど、君はどう思うかな?
(構成/布施奈央子)
小島 よしお

