同じ校門を、今度は母と娘で
迎えた4月の入学式。お母さんは、娘とともに思い出の校門をくぐると、懐かしさとともに「この学校に、今度は娘が通うんだ……」という感慨が胸に迫ってきたといいます。
驚いたのは、自分が通っていたころの先生方がまだ何人も残っていたこと。当時と変わらないクセのある話し方だったり、話の長さだったり……。「あの頃のままだ!」と思わず心の中でクスッと笑ってしまったそう。
最後にお母さんは受験をこう振り返ります。
「私自身も受験を経験しましたが、当時の大変さをあまり覚えていませんでした。今回、親の立場になって、改めてその厳しさを実感しました」
一人っ子ということもあり、いつまでたっても小さな子どものように思っていたRちゃん。けれども、自分でやるべきことを決め、スケジュールを立てて取り組む姿に、両親は驚きとともに大きな成長を感じたそう。
「これから、娘はかつての私と同じように満員電車にのって、同じ道を歩いて学校に通います。きっと素敵な先生や一生の友達との出会いが待っているでしょう」
そう語るお母さんの表情には、誇らしさと少しの寂しさがにじんでいました。
(取材・文/稲垣飛カ里)
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