一番下のクラスのメンバーは、受験へのモチベーションもさまざま、中には全くやる気がなさそうに見える子もいました。そんな環境の中で自分だけが頑張るというのは、子どもにとっても難しいことだったとお母さんは振り返ります。
親としてはつい、勉強について口を出してしまいそうな状況ですが、Rちゃんにアドバイスをしたり、「勉強しなさい!」と言うことは一度もなかったんだとか。
「実は、主人が大学受験の塾講師をしているんです。その経験から、『家では勉強について娘にあれこれ言うことはプラスに働くことはないから、やめよう』というのが我が家の方針でした」
とはいえ、完全に塾に任せきりというわけではなく、家庭で気になることがあれば塾に伝え、先生からRちゃんへ伝えてもらうなど、連携を取りながらサポートしていたそうです。
最後までE判定でも諦めない!
成績がなかなか上がらず、低迷する日々が続いたRちゃん。志望校の判定はDやEばかりで、志望校の変更も考えていました。そんな中、迎えた11月の三者面談。先生からの言葉が、Rちゃんの心を大きく動かします。
「いま志望校を変更したら、落ちて、いけなかった時より後悔するよ」
この言葉をきっかけに、Rちゃんのスイッチが入りました。それからは毎日塾の自習室にも通い、これまで以上に勉強に打ち込むように。
結局、お母さんの母校を第1志望に据えたまま、受験本番を迎えました。普段は落ち着いているRちゃんも、当日はさすがに緊張でガチガチ。しかし、直前にいつも教わっている塾の各教科の先生とオンラインでつなぎ、一言ずつ激励のメッセージをもらったことが、大きな励みになったそうです。
第1志望の合否は、Rちゃんが第2志望の試験を受けている最中に発表されました。試験の待合室で、両親は娘の帰りを待っていましたが、Rちゃんのお父さんは落ち着かず、何度も立ち上がるなどしていたそう。Rちゃんとは「一緒に結果を見よう」と約束していたものの、発表の時間になると我慢ができず、合否を確認。その瞬間に飛び込んできたのは――「合格」の文字でした。試験を終えて戻ってきたRちゃんは、結果を見て飛び跳ねて喜び、最高の形で中学受験を終えました。
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