中学、高校で部活に打ち込み、文化祭ではクラスでお揃いのTシャツを作って大盛り上がり――。自身の学生時代を振り返るとさまざまな思い出がよみがえるという方も多いかもしれません。その思い出が楽しいものであれば、いざ子どもの進学先を考えるとき、母校をすすめたくなることもあるでしょう。今回は、母の母校を志望した女の子の中学受験の物語をご紹介します。
【無料マンガ】この体験記をマンガで読む(全34枚)仲よしの同級生と一緒にお試しで… 小4から始まった塾通い
この春から中学1年生になったRちゃんが中学受験のために塾に通い始めたのは、小学4年生の夏休み。きっかけは、赤ちゃんの頃から仲のよかった同級生のお母さんが「中学受験を考えていて……」と話したことでした。
「じゃあ一緒に通わせてみようか」と、お母さん同士が話し合い、お試し感覚で始まった塾通い。Rちゃんの両親は決して「偏差値の高い学校に行かせたい」と考えていたわけではなく、受験という経験がRちゃんにとって成功体験のひとつになれば、という思いでした。
塾の授業は、教科ごとに専任の先生が担当し、子どもたちが飽きないよう工夫された内容。Rちゃんも「授業が面白い!」と楽しく通い始めたそうです。
第1志望は「ママの母校」
そんなRちゃんの性格は、落ち着いていて、一歩引いて周りを見られるタイプ。たとえ嫌なことがあっても、その場が丸く収まるなら自分が我慢するといった、少し大人びた一面もあったそう。その一方で、自分で決めた「マイルール」は絶対崩さない頑固さも持ち合わせていました。
「たとえば、『早く勉強しなさい!』と言われたとき、すぐに取りかかる子もいれば、言い返す子もいますよね。でも、うちの子は『このテレビを見終わったら勉強する』と自分で決めていたら、何を言われても絶対に途中でやめないんです(笑)」(お母さん)
そんなRちゃんは志望校へも強いこだわりがありました。第1志望はお母さんの母校。
Rちゃんのお母さんが通っていたのは、大学付属の中高一貫の女子校。制服もなく私服通学OKという、自由な校風が魅力の学校です。
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