妻が言ってたのは「母親になりすぎていた自分を女性に戻してくれた」と。妻は真面目だから育児を完璧にやろうと頑張り過ぎちゃっていたのもありました。「こうじゃなきゃいけない」で、がんじがらめになると育児も楽しくないじゃないですか。「もっと俺に甘えて」という話もして、旅行から帰ってきてからは無茶苦茶仲良くなりました。

「パパに早く帰ってきてほしい!」と思われたい

――すごく大きな分岐点ですね。

 そうだと思います。そこからは今に続く「妻ファースト」の考え方になりました。子どもができるとどうしても子ども中心になりがちじゃないですか。子どもももちろん大事だけど、妻が笑顔でいられるほうが間違いなくみんなが幸せになる。妻の笑顔のためにできるだけのことをしていこうと。

「じゃあ自分のことは?」「頑張るだけでしんどくないですか?」と聞かれることもあるんですけど「妻ファースト」でいると、結果的に自分の幸せにも繋がるんですよ。こっちがただ純粋な思いで動くと、見返りなんか求めなくても相手も「たあくんのために」と思ってくれる。お互いがお互いのことを自然に思い合えるような環境が作れるんです。僕、父親って特に、そうやって家庭内での自分の存在意義を自分で作っていかなきゃいけないんじゃないかなと思うんです。

 僕の父親は、家にいても何もしない人でした。帰ってきたらなんかピリつく空気が漂っていて、何かにつけて怒られるから、父親が帰ってきてうれしいという感覚がなくて。そういう父親を見て育ったから、逆に子どもたちには「パパに早く帰ってきてほしい!」って思われたいんです。子どもにも頼られ、妻にも頼られるという、その形を今でも模索しながら作っている感じですね。

家族の誕生日は必ず祝う杉浦家 杉浦太陽さんのインスタグラム(@sugiurataiyou_official)より
家族の誕生日は必ず祝う杉浦家 杉浦太陽さんのインスタグラム(@sugiurataiyou_official)より

――奥様の大好きなところや尊敬してるところは。
 天真爛漫さを忘れてない感じかな。あと、何事も全力、子どもに関しては特に全力なのも尊敬してます。でもこうして夫婦で過ごした時間があるからこそ出てきた、お互いのいいところもあると思います。

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