二人の子どもが生まれ、育休中に家族でキャンプに行った時のことです。3歳の子どもが森を見て「緑って、いっぱい種類があるね」と言ったのです。「あれもあれも緑色だけど、全部色が違うね」と。

 その言葉を聞いて、ハッとしました。

 子どもたちは、大人に教えられなくても、世界を自分の目でよく観察し、気づきを経て、感性を磨いていくことができるのだ、と。

 わが子のふとした言葉に、本当の”学び”は、本人の中にある感動なのだ、と教えられました。

 それ以降、私は学校でも、生徒一人ひとりが発する言葉に、できるだけ丁寧に耳を傾けるようになりました。

 周囲と比べて優劣をつけるのではなく、生徒自身の内側の成長に価値を見出すことが、教育であり「なりたい自分」に貢献するのだと改めて考えるようになったのです。

「どんな自分になりたいの?」をキーワードに、子どもたちの声に耳を傾けていきたい。

 生徒に寄り添う感動と気づきの授業の”改革”を、これからも続けていきたいと思っています。

(構成/玉居子泰子)

テストの点数をみて“自己肯定感”が低下する生徒たちに、現役中学教師が実践した「意欲を高める仕組み」と4つの効果とは?
著者 開く閉じる
中澤幸彦
中澤幸彦
1 2 3