掲載を控えるべき写真の線引きについて高橋さんは「子どもが将来的に恥ずかしいと思うこと、デメリットがあることはすべてNG。裸はすべてやめた方がいい。不快で恥ずかしい思いをする写真、いじめにつながるような写真は出してはいけません。小さい子の入浴シーンやおむつ替え、おまるにまたがっている写真をインスタなど見かけますが、その辺りはすべてやめた方がいい」と話します。

大きくなって子どもが両親の投稿に苦しむケースも

 大きくなり、子ども自身が両親の投稿に苦しむケースもあるそうです。

「過去にオーストリアで10代の女の子が親を訴えた例があります。親がかつてFacebookに自分の幼少期の写真を投稿していて、それらを削除しろという内容でした。その写真はおむつ替えなどティーンの女の子には非常に恥ずかしいものばかりで、“親の友達”にすべてに公開していました。子どもからすれば“親の友達”は知らないおじさんおばさんです。親に削除依頼をしたけれど同意してくれなかったので訴えた、という例でした。SNSの投稿は親子関係を悪化させてまでするものではありません。子どもから同意を得られないならすべてアウトです。

 実際にここ最近、私の周りでも『子どもに怒られたから』とSNS上の子ども写真を削除する人が増えています。シェアレンティングの考えがない数年前までは、『子どもは自分のもの』『かわいいから見て欲しい』という感覚でバンバン投稿する人がたくさんいました。でも今は子どもから『私を利用しないで』と削除を指示するようになってきています。

 将来子どもが顔を出して実名で活動していくなら、それは彼らの意思・責任においてするものです。それまでの間は名前も顔も出さない選択肢を親が残してあげることも大切です」(高橋さん)

使い方次第ではSNSには有用性がある

 子どもの将来を考えるとリスクが高いシェアレンティング。赤ちゃんの写真も対象になるのでしょうか。高橋さんはSNSは使い方次第では有用性があり、「すべては否定しない」と話します。

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