安浪:チャットGPTを推進している人たちだって、自分の子どもが小学生だったら全然言うことが変わってくると思います。
佐藤:例えば小学2年生の子たちがチャットGPTを使って「お母さん」っていう題の詩を書いたとします。それぞれの子がそれぞれのキーワードをパチパチって入れるわけですから、全員が同じ詩にはならないです。でもそのチャットGPTが作った詩を30年後にお母さんが見た時、泣けますかって話なんです。それより、つたない言葉でも小学2年生なりの言葉を使ってわが子が一生懸命書いた詩だったら親は泣けるんです。そんなことをバーッとしゃべったら、その話が翌日のスポーツ新聞に載ったんです。
安浪:なんと! どんな論調だったんですか?
佐藤:こんな話題がスポーツ新聞に載るんだ、とびっくりしたんですが、スポーツ新聞は私の味方をしてくれていて。
安浪:そうなんですね。スポーツもAIにはできない、人間が自らの肉体を使ってやらないといけない、という観点から、記者さんも同じようなことを考えているのかもしれないですね。それはともかく、いろいろ炎上しちゃうとお子さんから何か言われたりしないんですか?

佐藤:基本はママはママ、って放っておいてくれています。次男からは連絡ありましたけれど。
安浪:なんと?
佐藤:いろいろやっているようだけど、まあ、人生楽しんでくれ、って(笑)。
安浪:素敵な関係ですね(笑)。
(構成/教育エディター・江口祐子)

※「中学受験の意義」(佐藤亮子・安浪京子著)から一部編集
中学受験の意義
佐藤 亮子,安浪 京子


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