安浪:チャットGPTを推進している人たちだって、自分の子どもが小学生だったら全然言うことが変わってくると思います。

佐藤:例えば小学2年生の子たちがチャットGPTを使って「お母さん」っていう題の詩を書いたとします。それぞれの子がそれぞれのキーワードをパチパチって入れるわけですから、全員が同じ詩にはならないです。でもそのチャットGPTが作った詩を30年後にお母さんが見た時、泣けますかって話なんです。それより、つたない言葉でも小学2年生なりの言葉を使ってわが子が一生懸命書いた詩だったら親は泣けるんです。そんなことをバーッとしゃべったら、その話が翌日のスポーツ新聞に載ったんです。

安浪:なんと! どんな論調だったんですか?

佐藤:こんな話題がスポーツ新聞に載るんだ、とびっくりしたんですが、スポーツ新聞は私の味方をしてくれていて。

安浪:そうなんですね。スポーツもAIにはできない、人間が自らの肉体を使ってやらないといけない、という観点から、記者さんも同じようなことを考えているのかもしれないですね。それはともかく、いろいろ炎上しちゃうとお子さんから何か言われたりしないんですか? 

安浪京子さん

佐藤:基本はママはママ、って放っておいてくれています。次男からは連絡ありましたけれど。

安浪:なんと?

佐藤:いろいろやっているようだけど、まあ、人生楽しんでくれ、って(笑)。

安浪:素敵な関係ですね(笑)。

(構成/教育エディター・江口祐子)

※「中学受験の意義」(佐藤亮子・安浪京子著)から一部編集

東大理三出身・佐藤ママの長女が語る、母の教育「いい大学に行ってくれたら自慢できるという感情は母には全くなかった」
中学受験の意義

佐藤 亮子,安浪 京子

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佐藤亮子
佐藤亮子

さとう・りょうこ/4人の子ども全員を東京大学理科三類に合格させた実績を持つ教育・子育てアドバイザー。著書に『佐藤ママの子育てバイブル 学びの黄金ルール42』(朝日新聞出版)、安浪京子さんとの共著『中学受験の意義 私たちはこう考えた』(朝日新聞出版)など。

安浪京子
中学受験専門カウンセラー/算数教育家 安浪京子

やすなみ・きょうこ/「きょうこ先生」として親しまれている中学受験専門カウンセラー、算数教育家。佐藤亮子さんとの共著『親がやるべき受験サポート』(朝日新聞出版)が好評。最新刊は佐藤亮子さんとの共著『中学受験の意義 私たちはこう考えた』(朝日新聞出版)。オンラインサイト「中学受験カフェ」主宰。

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