安浪:そうだと思います。実践の勉強には相応に時間をかけないと。勉強って省エネ・コスパでは身につかないんです。もっともタブレットが強いところもいろいろあります。脳機能的に読み書きが苦手な子であれば、これはもう、積極的に使ったほうがいい。それに今はいろいろなアプリがあって多角的な見せ方ができるから、勉強の入り口のハードルが低くなる、という利点はありますね。

佐藤:もちろん、導入にはいいと思います。とっつきやすいですし。でも導入って数か月で終わりだと思います。基本的にはその次はきちんと作業でやらないと。今の時代こそ紙と鉛筆です。当たり前すぎることだと思いますけどね。
安浪:タブレットを与えて最初は楽しそうに勉強をやっていたと思ったら、いつの間にかゲームをやっているだけだった、みたいなことも珍しくないですしね。それに対して塾の勉強ってまだアナログじゃないですか。板書を写して、ノートを書いて、というアナログの力が鍛えられる、貴重な場といえるのではないかと。
佐藤:確かに。うまく使えば基礎学力を鍛える場にはなりますね。基礎学力って相当アナログ的なトレーニングが必要ですから。
(構成/教育エディター・江口祐子)

※「中学受験の意義」(佐藤亮子・安浪京子著)から一部編集
中学受験の意義
佐藤 亮子,安浪 京子


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