日本とアメリカの教育は目的が異なる
――海外へ出て、外から日本の教育を見たときに、どのように感じましたか?
日本とアメリカの教育は、そもそも目的が異なるということを実感しました。日本の教育は、大きな集に属する兵士を育てること、言い換えれば、規律を守って社会の一員として力を発揮する人を育てることが目的だと僕は思っています。規律を守れる人をたくさん育てて、それが国の文化にもなっていくのはいいことだし、そういう教育がこれまでの日本を支えて来ました。日本の教育はアカデミックのレベルも高いし、識字率がほぼ100%というのもすごいことです。
一方アメリカの教育は、トップに立つ人間を育てる教育、例えば第2のスティーブ・ジョブズを育てるための教育だという気がします。全員の学力を平均値まで上げようとする教育ではないから、文字が読めない人もたくさんいるけれども、飛び抜けた能力を持つ人、平均値から大幅に上振れする人もたくさん出てくる。どちらがいい、どちらが悪いという話ではありませんが、トップを目指すための教育を受けたい人は、やはりアメリカに行くんだろうな、とは思います。
金髪ピアスで教育事業 「これもあり」だと示したい
――現在はイタリア・ミラノのボッコーニ大学に在籍しながら、実業家としても活動されています。実際にどのような事業をされているのですか?
2023年に立ち上げた「MMBH留学」は海外大学に進学したい人向けの受験塾で、出願時に提出する志望理由書のコンサルティングや、TOEFL、IELTSといった英語の資格試験対策、学習アドバイスなどを行なっています。海外大学入試では、志望理由書に何をどのように書くかが重要なので、生徒の経歴と志望理由をどう結びつけるのか、学生時代の実績はどうアピールするのが効果的かといった情報を提供しています。
起業にあたってはしっかりしたビジネスモデルを作りましたし、サービスのクオリティも自信があります。僕は絶対にこのビジネスを成功させたいし、情報を持つ側が持っていない側の弱みにつけ込んで金銭を搾取するような留学ビジネスを倒したい。社会のためになる仕事をすることが、恵まれた環境で育ってきた僕の義務、ノブレス・オブリージュだと思っています。
