海陽(愛知県蒲郡市)は全寮制の特性を生かし、首都圏や関西などでも入試を実施。全国から受験生を集めて、志願者が949人から1261人に上昇した。

女子校から共学へシフト

「最近は女子校の人気に陰りが出始めています。愛知県の伝統的な女子校も共学にシフトし、志願者を減らしています」

 最難関の南山女子部(名古屋市)の志願者は700人から670人に減少。ただし合格者数も絞ったため、実質倍率は高い倍率のまま推移した。金城学院(名古屋市)は998人から960人に減少。そのほか聖霊(瀬戸市)、名古屋葵大(名古屋市)などの女子校が志願者を減らした。

 その中で、愛知淑徳(名古屋市)は988人から1072人、椙山女学園(名古屋市)は451人から605人と増やしている。

「両校はもともとメインの入試を同じ日におこなっていたのですが、椙山女学園が試験日を移動したことで併願が可能になり、それぞれ志願者を増やしました」

 共学最難関校の滝(江南市)は1891人から1945人に増えた。難関女子校からシフトしていることがうかがえる。愛知工業大学名電(名古屋市)は1230人から1441人に増加。

「愛知工業大学名電は人気が上昇しており、年々難易度が上がっています。愛工大名電は連日試験を受けると優遇措置があるので、2日続けて受ける受験生が増えてきました。そのぶん、同日入試の愛知(名古屋市)は、志願者を減らしています」

 中部大学春日丘(春日井市)は、入学後の学習環境が好感を呼び、499人から538人に増加。大成(一宮市)は1月6日に公立中高一貫校向けの適性検査型入試を導入し、公立一貫校と併願しやすいことから前受けとして受験する人も加え415人から653人と大きく伸ばした。

  岐阜と三重は、愛知の受験生の動向が大きく影響する。愛知の公立中高一貫校の1次選抜がおこなわれる1月11日に試験をおこなった学校も多く、志願者が分散し前年よりも減らした学校が多かった。さらに三重の上位校・高田(津市)と、岐阜の上位校・鶯谷(岐阜市)が同じ日に入試をおこなったため、愛知からの受験生が分散し、両校共に受験者数が減少した。

 26年度は愛知県に、さらに6校の公立中高一貫校が開校する。中学受験熱は、より高まりそうだ。 

(取材・文/柿崎明子)

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