――高校に合格したときの心境は?
親や祖母たちが喜んでくれたのが、何より嬉しかったです。地元の人たちにとって秋田高校に入るというのは、大きなこと。僕自身は初めての受験で、すごく達成感がありました。
高校最後の試合で能代工に大敗
――入学してからの高校生活はどうでしたか?
めちゃくちゃ頭がいい人ばっかりで。成績がすぐに320人くらい中300番台になってしまいました。でもバスケ部に入って、勉強していなかったので、「まぁ、仕方ないよな」って。勉強している子はすごくしているから差がつくのは当たり前だと思っていたので、成績が悪くても心が折れるということもなかったです。試合にすぐに使ってもらえたので「今はバスケをやりたい」という思いが強く、テストで赤点を取らなければいいや、くらいに思っていました。
――バスケ部ではキャプテンだったそうですね。目標は?
能代工業高校(現在は能代科学技術高等学校)に勝つことです。全国大会で何度も優勝していて、当時本当に強くて。高3の県大会の準決勝でぶつかって「このためにやってきたんだ」という思いで頑張ったんですけど、180対50で負けました。
――どんな気持ちでしたか?
試合中何が起こっているのかわからなくなるくらい、レベルが違いました。でかいし、速いし、シュート入るし。そのまま能代工は全国大会で優勝して、めちゃくちゃ強い代だったんです。試合後、あまりの大差にほかの部員たちは誰も泣いていなかったんですけど、僕だけは2時間くらい泣き続けました。高校最後の試合で、チームメイトが1人ずつ順番に挨拶に来てくれたんですけど、全員済んでもまだ泣いているから、挨拶2周目が始まったくらい(笑)。僕はやっぱり悔しかったんです。

(構成/中寺暁子)