「次は、この人の気持ちになってみよう」と、同じ本を何度も読みます

――りりあなさんが書いた絵本『ここにあったよ 自由と幸せ』(幻冬舎)について教えてください。

 テヘランで2022年、ヒジャブから髪の毛がはみ出ていたことで暴行を受けて女性が命を落とした事件がありました。私のお母さんはイラン人なのですが、その事件のことを聞いて、「自由がないって悲しいことね」と、毎日のように泣いていて……。そこで「自由」をイメージした蝶の絵を描いてプレゼントしました。

 いろんな人にも「自由ってどれだけ幸せなことなのか」をわかってほしくて、絵本を描きたいと思ったんです。毎日のようにお母さんにお願いして協力してもらい、絵本が完成しました。イラストは、私の絵をもとに、イランのイラストレーターさんが描いてくれたんです。

 小さいときから詩や文章、絵を描くことが好きでした。あと、チョウチョ。蝶って、いろんな色があって、ひらひらーっと羽ばたいていく姿が「自由」のイメージにぴったりだなと思って、絵本にも蝶がたくさん描かれています。次はLGBTのお話の絵本を作りたい。きれいな「虹」を描きたいな……。

りりあなさんが描いたイラストの下絵
『ここにあったよ 自由と幸せ』大野りりあな 著・幻冬舎 刊

――りりあなさんは、どうやって「やりたい」ことを見つけているのですか?

「検定」って検索すると、いろんなことが出てきます。それで「おもしろそう!」とか「これはなんだろう?」と興味を持ったことを習い事につなげたり、逆に習い事から検定につなげたり。検定のような目標ができると、習い事がもっと楽しくなるんです。

 あと、本から見つけることも多いかな。本は小さいころからたくさん読んでいます。今は習い事のすき間に読むのであまり時間がないのですが……。最近読んで感動したのは『家族だから愛したんじゃなくて、愛したのが家族だった』(岸田奈美/著 小学館)。私は、同じ本を何度も繰り返して読むんです。「次はお母さんの気持ちで読んでみよう」とか。

――その本の読み方、新鮮!

 こうして読むと、読むたびにお話の感じ方が変わるし、役の中に入り込むというお芝居の練習にもなるかなと思っています。

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