本来は「放課後の過ごし方」は選択できるのが理想

――施設やサービスが充実している地域とそうでない地域の差もすごくありそうです。

 本来は子どもの放課後の居場所について、親子の希望に合ったものを複数から「選べる」のが理想的です。例えば、思い切り遊ばせてくれるところ、勉強に力を入れるところ、スポーツに特化したところなど、選択できる支援やサービスが並列に整備されることが重要でしょう。

 しかし実際は、地域によって充実度には大きな差があり、まったく選択肢がないこともあります。「学童ガチャ」なんて悲しい言葉もあるくらいです。

――選択肢が限られるなか、保護者ができることはありますか?

 お子さんが小学校に上がる前なら、学童の待機児童がなく、選択肢も豊富な地域に引っ越すのも手です。ただ現実的にそれは無理という人が多いでしょう。

 まずは利用できそうな施設は見学してみてください。自治体によっては民間学童に補助金を出して、割安で利用できるところもあります。職場とも相談しながら、時短勤務の延長など使える制度はフル活用しましょう。また保育園や幼稚園、各種スクールの先輩パパや先輩ママからありのままの学童情報を収集することも有効です。

 それでもまったく行くあてがない場合、自宅でいかに安全に過ごせるかを考えるしかないですね。家にライブカメラを付けて、スマホでこまめに確認するとか、警備会社と契約を結ぶなどの方法もあります。できるだけご近所に仲良しさんをつくって、時々は見てもらうとかもありですよね。そのようにして、何とか子どもの放課後が安心・安全になる方法を探っていくしかないと思います。

【続き】「ぎゅうぎゅう詰め」の学童が増えている 人口の多い都市部で“学童待機児童ゼロ”の自治体があるのはなぜ?
知られざる〈学童保育〉の世界 問題だらけの〝社会インフラ〟

萩原和也

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竹倉玲子
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