おこづかいがないと、お手伝いをしなくなるのでは?
――おこづかい制度にお手伝いによる報酬を採り入れる場合、気をつけるべき点はありますか?
本来、家事をするのは家族の一員として当たり前のことです。でも、「報酬制」や「ミックス制」の場合は、対価としてお金をもらうわけですから、そのお手伝いについては「仕事」として責任を持って取り組んでもらうことが大切です。あまり雑なやり方をしていたらダメ出しをしてもよいでしょう。
また、おこづかいの対象にならないお手伝いも1つか2つ、子どもにやってもらうといいと思います。「お風呂掃除だけは仕事としてみなすけれど、本来、家事は家族みんなでするものだから洗濯物をたたむのも担当してね」という考え方です。このことは、おこづかいを渡すたびに毎回伝えてもよいくらい大切なことだと思います。
時には、おこづかいをもらえないお手伝いは手を抜く子どももいるかもしれませんが、大人でも家事の手を抜くことはよくあるはずなので、そこは限度を超えない程度で折り合いを付ければよいのではないでしょうか。
もう一つ、まったく別の注意点として、「報酬制」や「ミックス制」は親の手間が若干かかるということが挙げられます。きちんとお手伝いができたのか、雑にやって終わらせていないか、今月は何回お手伝いしたのかなどを親が管理する必要があるからです。カレンダーに丸を付けてチェックする方法がよくありますが、子どもに任せるとお手伝いをしていないのに丸を付けることもあるので、やはり親の確認は必要です。
(取材・文/肥後紀子)
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