――「いざという場面で叱るのはパパ」といったご家庭もあるようですが、田中家ではどうでしょう? 

 今のところ夫が「ラスボス」として登場する場面はないですね。私がいつも「3回同じことをしたら、ママは本気で怒るよ!」と言っているので、それが効いているのかもしれません。

 むしろ夫は、子どもに対して甘すぎるくらい。先日も次女が学校に行く前の身支度中に「パパ、私、靴下履いてないの」と言っただけで「わかった!」って、部屋まで取りに行ってましたから(笑)。これはさすがに甘やかし過ぎだと思ったので「もう小学生だから、自分のことは自分でやらせてね」と伝えました。

庭の草むしりをする、爆笑問題・田中裕二さん(提供)

「僕には家族がすべて」に感謝

――山口さんと田中さんがお付き合いされていたころ、娘さんの誕生会を訪れた田中さんを娘さんが自然に「パパ」と呼んだことが結婚の決め手になったというインタビュー記事を拝見しました。田中さんの優しさは、幼い娘さんにも伝わったんですね。

 なぜかはわからないんですが、あの時、娘がみんなの前で夫のことを「パパ」と呼んだんですよね……。当時から夫は子どもたちに誠意を持って接してくれましたし、その点は結婚して9年経つ今も変わりません。「僕にとっては家族がすべて。家族が幸せなら、僕も幸せなんだよ」と言葉で伝えてくれることに、心から感謝しています。

 学校でも職場でも、外の世界に出ればいろいろなことがありますが、そこで頑張ったり戦ったりできるのは、家に戻れば心を一つにできる家族がいるから。家族全員が安心できる家庭を築きたいという思いは、夫も私も同じです。

「今年の母の日は、何もなく終わるのかと思ったら眠る前に家族全員からお手紙をもらいました! うれしすぎて眠れず……」(提供)

(構成/木下昌子)

※後編<山口もえが振り返る子育てと仕事の両立「休んだらもうこの仕事ができなくなるかも、という不安や焦りがあった」>へ続く

山口もえが振り返る子育てと仕事の両立「休んだらもうこの仕事ができなくなるかも、という不安や焦りがあった」
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