特に、アレルギーを持っているお子さんは要注意です。アトピー性皮膚炎や小児ぜんそくなど、免疫が過剰に働きやすく、粘膜が刺激を受けやすい体質の人は、化学物質過敏症になりやすいと言われています。
――わが子が「香害、もしくは化学物質過敏症かも?」と思ったときはどうしたらよいでしょうか。
一番大切なのは、原因となっている香りや物質を遠ざけることです。洗剤や柔軟剤は無香料を選ぶこと。表示されている使用量を超えないようにすること。こまめに換気をすること。アレルギーやぜんそくなどの原因となるダニ、ハウスダストを取り除くためにきちんと掃除をすることです。
――それでも症状がよくならない場合は、どうしたらよいですか。
小児科を受診して、それ以外の病気がないことを確認しましょう。香害や化学物質過敏症の診断は、おもに問診でおこなわれます。どんなときにどんな症状が出るかなど、項目に基づき詳しく聞いていきます。
お子さんの場合は、基本的には親御さんから話を聞くことになりますので、よく観察して記録をつけておくといいでしょう。お子さんは不調であることを言葉でうまく説明できないため、かんしゃくを起こしたり、無気力になったりしがちです。日常や学校生活に影響が出ることも少なくありません。香害は脳に深く関わっているため、当然、発達にも影響が出てきます。もし特定の香りや環境で同じ不調を感じることが続く場合は、早めに対処してあげてください。
(取材・文/石村紀子)
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