このように体験が多いと、

 といったよい影響をもたらします。

「体験格差」を心配する声も…

――子どもの体験の多い・少ないに差が出る「体験格差」があるとも最近言われています。

 「体験格差」というのは「子どもが選ぶことができない条件」によって体験の機会に差が生まれることをいいます。その条件というのは「性別」「親の収入や学歴」「住んでいるところ」などがあげられます。

 これらは残念ながら子ども自身の努力では変えることができません。例えば、「地方に住んでいるので、都心にある博物館や美術館にはなかなか行けない」「子どもは中学校で運動部(例えば野球部)に入りたいと言っているが、ユニホームや活動費にとてもお金がかかるので、家庭の経済状況では難しい」といった状況が考えられます。

 実際に「親の世帯年収が高いほど子どもの自然体験は多い」というデータもあります。キャンプや自然体験イベントの参加にはお金がかかるという事情が反映されているのかもしれません。

「青少年の体験活動等に関する意識調査」(令和元年度、国立青少年教育振興機構)から

 現在、子どもの体験格差を埋めるべく、さまざまな団体が支援を行っています。今後、そういった動きがより一層活性化されることを期待しています。また、地域のイベントや気軽に参加できるボランティア活動なども増えていますが、学校でチラシを配布するなど多くの方々にそういった情報がいきわたるようにすることも大切です。より多くの子どもたちに豊かな体験をさせてあげることが、社会全体のウェルビーイング(幸せ)につながっていくと思います。

(取材・文/船木麻里)

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船木麻里
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