幼少期は、好奇心の芽を育てる土台の時期。何げない遊びや習慣が、将来の学びや成長に大きな影響を与える可能性があります。脳医学者の瀧靖之先生は、息子さんが幼いころから好奇心を育むさまざまな工夫をしてきました。親子で楽しく続けられるアイデアをご紹介します。※前編〈脳医学者パパが語る、息子の中学受験勉強に効いた方法とは? パフォーマンスを上げるために、親ができること〉はこちら

MENU 子どもにピッタリな「秘密道具」を見つけよう 幼児が「漫画」を読むことを否定する必要はない 親が楽しんでいる姿を見て、子どもはものごとに興味を持つ

子どもにピッタリな「秘密道具」を見つけよう

――昨年、息子さんが中学受験に合格されたそうですが、幼少期から続けて良かった取り組みを教えてください。

 わが家の場合は、「図鑑」「虫取り網」「楽器」ですね。これを“三つの秘密道具”と呼んでいます。息子が幼かったころは、図鑑で興味を持ったチョウを探しに、虫取り網を持って出かけていました。図鑑というバーチャルな世界で興味を持ったことを、虫取り網によってリアルな世界に結びつけるためです。本物に触れた時のワクワク感が好奇心を伸ばし、「もっと知りたい」という気持ちを高めます。そうなると、子どもは「頑張っている」という意識を持たずに勉強を深めていきます。

 何を道具にするかは、子どもの興味に合わせるといいでしょう。例えば、電車が好きなら時刻表、宇宙が好きなら望遠鏡でもいいのです。子どもそれぞれの“秘密道具”を見つけてほしいですね。

――もう一つの楽器は、どのようなメリットがあるのでしょうか?

 楽器は脳の「可塑性」(かそせい/自ら変化・成長する力)を高めると考えられています。また、「汎化」(はんか)といって、一つの能力が高まると別の能力も高まる脳の仕組みがあります。楽器演奏にハマった子どもは、他のことにもハマる力がつくのです。楽器を趣味にしていると、将来の認知機能の向上に効果的という研究報告もあります。

 楽器は、何歳から始めても楽しめますが、一番いいのは3~5歳の幼児期に始めることです。指先の巧緻性(器用さ)を司る脳の「運動野」が発達する時期で、この時期に始めるとより演奏が上達しやすくなるでしょう。

幼児が「漫画」を読むことを否定する必要はない

――ほかに子どもの好奇心を育む方法として、どんなことがあげられますか?

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越膳綾子
ライター 越膳綾子
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