子ども同士でつながれる「ID」

 でも子どもたちは知っています。親を介さず連絡を取り合う方法があるのです。

「ID」です。

 ゲームやLINEのIDやユーザーネームさえ知っていれば、子ども同士簡単につながることができます。大変便利な機能ですが、親はリスクも頭に入れておかなくてはなりません。学校の友だちならいいですが、塾の友だち、友だちの友だち……と子どもの世界は広がっていきます。簡単に見知らぬ大人や海外のユーザーとつながることもできます。オンラインゲームの先にはグローバルな世界が広がっています。

「全く知らない大人の声がゲームから聞こえてきて、怖くなった」

「知らない地方の子に子ども部屋の写真を送ろうとしていたので止めた」

というリアルな保護者の声も取材で聞いてきました。

 とはいえ、ネット断ちは不可能な時代です。大切なのは親が寄り添うことです。子ども同士でつながれる時代だからこそ、親子のコミュニケーションを大切にし、一緒に楽しみながらリスクについて繰り返し伝える必要があります。

(取材・文/大楽眞衣子)

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知っておきたい超スマート社会を生き抜くための教育トレンド: 親と子のギャップをうめる

宮本さおり,大楽眞衣子

知っておきたい超スマート社会を生き抜くための教育トレンド: 親と子のギャップをうめる
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大楽眞衣子
大楽眞衣子

ライター。全国紙記者を経てフリーランスに。地方で男子3人を育てながら培った保護者目線で、子育て、教育、女性の生き方をテーマに『AERA』など複数の媒体で執筆。共著に『知っておきたい超スマート社会を生き抜くための教育トレンド 親と子のギャップをうめる』(笠間書院、宮本さおり編著)がある。静岡県在住。

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