どんな子におすすめ?

 友だち思いの子におすすめしたい一冊です。あなぐまの「友だちを喜ばせたい」という気持ちに共感して、物語の世界にぐいぐい入り込めるはず。せっかくの親切や思いやりがうまく伝わらなかった経験がある子も、あなぐまがかんしゃくを起こしてしまう気持ちはよくわかるのではないでしょうか。

 最後に、はりねずみがやさしく寄り添ってくれることで、自分がいちばん作りたいものが見えてくるあなぐま。ラストにあなぐまが作るのはちょっと意外なものですが、これがとてもいいアイデアで、みんなが幸せに。いつも友だちに譲ってしまいがちな子が読めば、自分の気持ちや考えを尊重することも同じくらい大事なことであり、時には自分を出すことでみんなを喜ばせることができるのだと、自信が持てるはずです。

【絵本の次に読みたい童話】自分の気持ちを伝えるのが苦手な子へ 天使が勇気をくれる物語
きみ、なにがすき?

はせがわさとみ

きみ、なにがすき?
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岩本恵美
ライター/エディター/Webディレクター 岩本恵美

Webメディアの編集や新聞紙面の制作を経て、2016年に独立。現在はWebを中心に、本やアート、教育などをテーマにしたコンテンツづくりに取り組む。朝日新聞社が運営する本の情報サイト「好書好日(こうしょこうじつ)」にて、絵本・図鑑等の児童書やレシピ本などのジャンルを担当。GREEN GHOST LLC.所属。

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