「子どもには科学好きになってほしい!」「いろんなことに興味を持ってもらいたい」と思う親御さんも多いのではないでしょうか。科学雑誌Newtonを発行するニュートンプレスの書籍編集部部長・中村真哉さんに、科学の面白さや、科学と親しむ方法について聞きました。「AERA with Kids2024秋号」(朝日新聞出版)よりご紹介します。

MENU 科学は実生活に関わりが深い学問 さまざまな体験が科学を好きになるきっかけに

科学は実生活に関わりが深い学問

「科学」というと、ジャンルが幅広くて、よくわからないという人が多いと思います。けれど、実生活のほとんどに科学が関係しているんです。

 例えば、夜に星空をながめれば天文学や宇宙開発につながりますし、天気予報を見て「雨ってどうして降っているんだろう?」と疑問を持つことも気象学につながります。さらに言えば、だれもが持っているスマートフォンはテクノロジーのかたまりだし、料理をするときの加熱は化学そのものです。生活のいたるところに科学が関連しているのです。

 科学を「学問・勉強」としてとらえるとむずかしくてハードルが高く感じますが、日常生活のありとあらゆることが科学につながっていると考えれば、そこまでむずかしい感じはしませんよね?

 こんなに身近だから、科学は研究しつくされていると思われがちなのですが、実はわかっていないことだらけ。人類が解明したことはごく一部で、宇宙のことも人体のこともまだまだわからないことが多いんです。でも、研究が進展していくとこれまでの常識がくつがえることがあります。それが、科学のおもしろいところです。

 私がニュートンプレスに入社してから、太陽系の第9惑星に位置づけられていた冥王星が、惑星から外れるという“事件”がありました。今まで「冥王星は惑星」というのが当たり前だと思っていたのに、それがくつがえったのは本当に驚きました。

 今よりもっと技術が発展して研究が進んでいけば、私たちが常識だと思っていることも、これから先くつがえることがあると思うと、ワクワクしますよね。

さまざまな体験が科学を好きになるきっかけに

 科学に興味を持つかどうかは、子ども次第だと思います。親が「こういうことに興味をもってほしい」と押しつけても子どもは興味をもちません。実際私も、自分の子に「科学に興味を持ってくれれば」と、Newtonを目のつくところに置いたことがありましたが、読んでいる形跡はありませんでした(笑)。

次のページへ子どもは好奇心のかたまり!
1 2