むし歯予防の基本となる歯みがき。子どもの歯みがきは、どんなことに気を付ければいいのでしょうか? 最適なタイミング、歯ブラシや歯みがき粉の選び方などについて、新江古田こばやし歯科クリニックの小林奈未子さんに聞きました。『AERA with Kids 2024 秋号』(朝日新聞出版)から紹介します。

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定期健診やフッ素の普及でむし歯が大幅に減少

「令和4年度学校保健統計」によると、むし歯がある子どもの割合は、幼稚園で約25%、小学校で約37%、中学校で約28%。30年ほど前と比べると半分以下にまで減少しています。なぜ大幅に減少しているのでしょうか。小林奈未子歯科医師は、主に三つの理由があると言います。

「定期健診、歯みがき指導、フッ素塗布の普及です。定期健診のために歯科医院に行けば、歯みがき指導を受けたり、フッ素塗布をしてもらったりする機会も増えます。フッ素入り歯みがき粉の普及も影響していると言われています」

 ただし、むし歯については二極化している傾向もあるそうです。

「減少しているとはいっても、むし歯がある子はいて、さらに治療も受けていないというケースが問題になっています」

 なかには子どもが歯科医院を嫌がる場合もあるかもしれません。

「『痛くないから大丈夫よ』ではなく『ピカピカきれいにしてもらいに行こうね』など、前向きな声がけをしてもらえるとうれしいです。定期健診ならば、自宅から通いやすく、お子さんに合うかかりつけ医を探すのがよいと思います」

歯みがきのQ&A

Q ずばり、正しい歯のみがき方は?

【1日2回以上、食後すぐ】

 むし歯は食べかすの糖分がむし歯菌によって分解され、ネバネバした歯垢となって歯につくことで発生します。そのため、食べたらすぐに歯の汚れを落とすのが理想ですが、忙しくて昼食後すぐにみがくのが難しい子も多いので、朝と夜、1日2回はみがくことを推奨しています。

Point1)1日1回はていねいにみがく

 毎食後に歯みがきをしても、いい加減なやり方ではほとんど意味がありません。朝は忙しくて仕上げみがきをできなくても、夜は必ず親が仕上げをする、フロスを使用するなど、1日1回はていねいにみがくことを意識しましょう。

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中寺暁子
ライター 中寺暁子

健康情報誌編集部などを経て、2000年からフリーに。医療・健康・教育のテーマを中心に取材・執筆活動を行う。

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