このときのつらい気持ちは、いまもはっきり覚えています。私は学校が大好きだったし、友だちもたくさんいました。男子とも仲が良くて、いっしょにサッカーや野球することも多くて、転校すると聞いたときには、嫌で嫌でたまりませんでした。

 しかも転居の理由は両親の離婚。ものすごいショックでした。

 ところが私は、めちゃくちゃ単純なのです(笑)。新しい家にも、新しい学校にもあっという間になじんでしまいました。

 引っ越し先の借家は学校のすぐ近くで、しかも近所には同じ学校の子たちがたくさん住んでいました。クラスの子も何人かいて、いっしょに学校に行っていっしょに帰ってくるうちに、あっという間に仲良くなれました。本当に環境に恵まれたと思います。姉や弟も、すぐに新しい環境になじんでいきました。

 だから両親の離婚というショックを引きずることなく、楽しく学校生活に溶け込むことができたのだと思います。

右から10歳当時のギャル曽根さん、お姉さん、弟さん(提供)

もしも子どもに「学校に行きたくない」と言われたら

 いま思えば、私はとても単純に学校生活を楽しめるタイプでした。何かあってもクヨクヨ考えたりせず、体を動かしておなかをすかせて、もりもり食べれば元気になれる……ある意味、子どもらしい子どもだったと思います。

 だからこそ、「自分の子も同じタイプとは限らない」と考えるようにはしています。親が気づかないうちに悩みを抱えているかもしれないし、「うちの子に限って」などとは、絶対に思わないようにしようと決めています。何かあったときに、親だけが知らなかったなんて、そんなのはいやですから。

 でも子どもによって、よく話す子とそうでない子がいますよね。息子は聞かれなくても学校や友だちの話をすごくするんですけど、娘は聞かないと話してくれません。だから、こっちからいろいろ話しかけます。

「今日は誰と遊んだの?」「〇〇ちゃん、風邪治った?」「このシールは誰からもらったの?」ともうめちゃくちゃ細かく聞きます。ときどき「もう聞かないで」とうるさがられるんですけどね(笑)。

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