クラスメイトの大半が中学受験する学校 「受験はする!でも勉強はしない!!」
2年生になり、新しい環境が好影響をもたらしたのか、Kくんの問題行動も徐々に減っていきました。しかし、学校のことを聞いても何も話さず、大好きなゲームばかりやりたがるけれど、大嫌いな勉強と宿題はやらない、という調子でした。
「今のままでは中学受験は厳しいかもしれない」
実はKくんの通う小学校は、クラスメイトの大半が中学受験に挑戦します。両親もKくん自身も中学受験はするものだと考えていました。しかし、Kくんの性格や学習習慣を考えると、お母さんには不安しかありませんでした。
一方で、こだわりの強いKくんには、自分に合う学校でのびのびと学んでほしい、また、中学受験という経験がよい影響を与えるかもしれないという期待もありました。そこで、3年生の終わりから、まずは小規模の集団塾に通い始めることに。しかし、塾の宿題はほとんど手つかずでゲームばかり。勉強をするようにうながすと、トイレにこもって「受験はする! でも勉強はしない!!」と“謎の宣言”をすることもあったそう。
「そんなに勉強したくないなら受験をやめてほしい」「ゲームはもうやめなさい」「勉強を始めた途端にトイレにこもるのはやめなさい」――。お母さんとKくんはたびたび親子バトルに。しかし、Kくんはやっぱり「受験はする!」 でも「勉強はしない!」と突っぱね、その信念が揺らぐことはありませんでした。
6年生になっても「宿題が嫌い」 両親の焦りは募るが…
そんな彼だからこそ、両親がこだわったのは志望校選びです。入学後も無理せずついていけるか、自由な校風で本人の特性を伸ばせるかの2点を重視し、たくさんの学校説明会に足を運んだり、塾の先生に相談したりしました。親子ともに行きたい学校が見つかりますが、勉強への姿勢は変わらぬまま。5年生の秋に個別指導塾へ思い切って転塾し、授業態度こそ改善されましたが、宿題をすることや間違い直しは相変わらず嫌い。6年生になっても成績は低迷し続け、親ばかり焦燥に駆られていったそうです。
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