逆に、視覚的な情報に集中したり暗記の課題を行ったりするとき、つまり私たちの関心が外部に向かっている状況では、このネットワークは無効化されます。これは、子どもたちが長い時間机に向かって勉強するときにも当てはまります。何もしなくていい時間をあまり経験してこなかった子どもは、しばしばそんな時間を持て余します。YouTube視聴でもゲームでもいいので、何かをしなければならないと感じるのです。

 しかも、これは快楽的でさえあります。大人も同じように、眠る直前までスマートフォンを手にして、何かを視聴しながら時間を過ごすでしょう。本人は休息のように感じていても、脳は刺激とともにむしろ多くのストレスを受けています。疲れた脳は、学習に対して能率を発揮できません。

 ぼーっとする時間は、自分の内面の声に耳を傾ける時間でもあります。何もしない時間が足りないと、子どもは自分が何を好きで何が嫌いなのか、自分が本当に望むことは何なのか、よくわからないまま成長することになります。子どもがスマホから離れ、自分自身や他人、世の中をじっくり眺められるよう、退屈を満喫させてあげましょう。

オックスフォード式「勉強感覚」の育て方 頭のよさは10歳までに決まる

チョ・ジウン,北野 博己

オックスフォード式「勉強感覚」の育て方 頭のよさは10歳までに決まる
著者 開く閉じる
チョ・ジウン
チョ・ジウン

英国オックスフォード大学東洋学部教授。児童学と言語学を用いて子どもたちが言葉を学ぶ過程を研究している。オックスフォード大学東洋学部では入試面接官として、毎年多くの優秀な学生を分析してきた。最近は人工知能時代の言語教育について研究している。

1 2