子どもを性犯罪から守るために、小さいうちから教えておくべき知識とは? また、子どもだけで外出する機会が増えたら、危険な目にあわないために、親子で事前にどんなことをチェックしておくべきなのでしょう。長年、性暴力対策に取り組んできた慶應義塾大学SFC研究所上席所員の小笠原和美さんに伺いました。「AERA with Kids 2024年夏号」(朝日新聞出版)からご紹介します。

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子どもは性被害の対象にされやすい

 子どもが狙われやすいのは、体格や知識の成長が十分でないという理由のほかに、被害に遭ってもそれが「被害」であると認識できないという点があります。

 「そこで重要になってくるのが、見られたり、触られたりしてはいけない、守るべき部分『プライベートゾーン=水着を着ると隠れる場所』があるという知識。子どもを守るためにも、小さいうちから伝えておきましょう」というのは性暴力対策に取り組み、子どもの心身を守る活動をしている小笠原和美さん。

 プライベートゾーンの知識があれば、被害に遭っても「おかしいことをされている」と気づくことができ、相手に「いやだ」「やめて」と伝えることができます。

 もしその場で言えなくても、そういうことがあったことを伝えてもらえるように、「何かいやなことがあったら、いつでもお話ししてね」と話しておくことも大切です。

幼少期からの「プライベートゾーン」教育はとても重要

 このプライベートゾーンの知識には、子どもを加害者にさせないという効果もあります。

 「例えば子どもの遊びのなかで、友達のパンツをおろす、友達に抱きつく、キスをするといった光景を見かけたことはありませんか? 子ども同士だからとほほえましく見ている人もいるかもしれませんが、『このくらいやってもいいよね?』という認識のまま放置してしまうと、自覚がないまま加害者になってしまうことにつながる可能性もあります」

 やっていいこと、いけないことの正しい認識を身につけさせるためにも、幼少時からのプライベートゾーン教育が重要。「自分の身体は自分のもの。いやだと思うことをされたらいやだと言って良い」という自己決定権を知る機会にもなるでしょう。

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阿部桃子
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