こんにちは! 編集部の濱田です。突然ですが、みなさんは走るホルスタイン(白黒の乳牛)を見たことはありますか? 数頭の牛が大草原を走ってこちらに向かってくる……そんな光景を長野県は八ヶ岳の麓で目の当たりにしました。

 7月中旬に八ヶ岳中央農業実践大学校で行われている農業体験ワークショップというものに参加してきました。1995年から小中学校・高校の林間学校向けに行われていたこのプログラム。今月から一般向けの体験ワークショップがスタートしました。

 酪農、畑づくり、養鶏、林業、植樹、ジャムづくりなどさまざまなメニューがあるなかで、子どもの頃から牛が大好きなわたしは迷わず酪農体験に申し込みました。当日酪農体験に参加していたのは10組ほどの親子。なかには3世代で参加している家族もいました。場所が「農業実践大学校」というだけあり、飼われている牛の数は約100頭! 実際の牛舎に入り、牛のうんちのお掃除やブラッシング、最後には餌やりまで体験することができます。

 牛舎に入ったとき、最初は「くさい……」と鼻をつまんでいる子もいましたが、牛のお腹を触り体温を感じたり、生まれたばかりの子牛と触れ合ったりするうちに、いつの間にか自ら牛に近づいていました。さらに印象的だったのが、親御さんも体験に夢中になっていたこと。わが子をよそに、もくもくとうんちの掃除をするお父さん、ガイドさんに積極的に質問するおじいちゃん……確かにこんなに牛に近づける機会はなかなかありません。

牛舎にいる牛をなでなで。牛の体温は平均37℃。大きくて温かくて穏やかな生き物です。

 名前を呼びながらブラッシングをしていると、時に後ろを振り返ってくれる牛さん。「う、牛と通じ合えるなんて……」と、お世話をしているつもりが、いつの間にかこちらが癒されていました。大人のみの体験もOKなので、毎日の仕事に疲れている大人たちにもおすすめです。

ジャージー牛の子牛とわたし。ガイドさんが「ジャージー牛はホルスタインよりも目がクリっとしていて好奇心が旺盛」と教えてくれました。とってもかわいかった…。
一頭一頭模様が違う牛さん。みんな違ってみんなかわいい!!

 牛舎を出たら、最後は放牧されている牛たちに餌やりをします。「ご飯だよー!」と声をかけると、牛たちが走って寄ってきました! のんびり草を食んでいるイメージのある白黒の牛たちが走る光景は正に圧巻です。自分の手からご飯を食べてくれる姿に、子どもたちも大喜びしていました。

周りに生えている新鮮な草をムシャムシャ。牛は上の歯が生えていないので噛まれても痛くありません!

テーマは“遊ぶように学ぶ”

 この体験ワークショップのポイントは、体験するだけではないところ。ワークショップのテーマに“遊ぶように学ぶ”を掲げており、学びの要素も大切にしています。牛舎に入る前には、ガイドさんによる牛の種類や特徴、乳牛がどんな環境で育てられているのかなどのプチ講義を受講。

 プチ講義では、ヨーロッパで生まれた動物の幸せな暮らしを考える「アニマルウェルフェア(動物福祉)」のことや、乳牛として生まれると寿命を全うできない、という少し難しめかな?という内容もありましたが、子どもたちはガイドさんのお話に真剣に耳を傾けていました。

真剣にガイドさんのお話を聞く参加者たち。アニマルウェルフェアの観点から、模擬牛で説明を受けます。

 体験のあとは、この農場で作られている牛乳の試飲会もありました。お世話をした牛たちが出してくれた牛乳は、普段飲む牛乳よりも愛しさを感じます。

 夏休み期間はほぼ毎日オープンしているこの体験ワークショップ。9月以降も週末は開催されています。畑づくりの体験では、8月が旬の生トウモロコシも収穫できるそうで、気になる……!

 夏は避暑地としても知られる八ヶ岳で、涼みながら、遊びながら、自然体験はいかがでしょうか? 夏休みの計画の参考になればうれしいです!

(編集部・濱田ももこ)

 詳しくはこちらからチェックできます!⇒https://yatsunou.jp/workshop/AERA with Kids+編集部
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