コロナ禍以降、生活習慣の変化をきっかけに肥満児が増加しています。子どもの肥満を防ぐには、生活でどんなことに気をつけたらよいのでしょうか。小児肝臓消化器科専門医の乾あやの先生に、予防や解消のポイントについて聞きました。

MENU 肥満予防には早寝早起き、朝ごはん 子どもも肥満リスクの自覚で改善へ 食育も大切。社会全体で問題意識を

肥満予防には早寝早起き、朝ごはん

――小5男児の肥満割合は、2022年のスポーツ庁の調査では14.5%と、7人に1人ほどに当たります。子どもが肥満にならないための生活のポイントを教えてください。

 近年の子どもの肥満のおもな原因は、食生活の乱れ、運動不足、スクリーンタイムの増加などによる生活習慣の乱れです。子どもの肥満はとくに10~11歳男児を中心に男子で顕著です。コロナ禍での外出自粛などを経て、生活習慣は一層悪化しています。

 肥満予防にはやはり、規則正しい生活を身につけることが基本です。親が子どもにしてあげられることは、食事の管理と運動習慣をつけさせること。まずは肥満になりにくい環境づくりとして、家族ぐるみで生活習慣を改善しましょう。

――具体的にはどんなことをしたらいいですか?

 早寝早起きをベースに、朝食からきちんと、規則正しい時間にバランスの良い食事を1日3食、食べるようにしましょう。朝食をとらないと、昼、夜にどうしても高カロリーなものを求めてしまいます。夕食は寝る2時間前までに終わらせるのが理想。加えて、適度な運動も行い、小学生なら9時間以上の十分な睡眠をとりましょう。

――肥満予防にはどんな食事がよいのでしょうか。

 特別な食材や献立にこだわる必要はありません。日本人であれば、魚を主菜とした和食を食べるようにするだけでいいでしょう。和食は低脂肪・高栄養で必要な栄養素をバランスよく摂取でき、カロリーコントロールがしやすく、肥満予防に適しています。なじみのある食材と調理法で日常生活に取り入れやすく、習慣化しやすいのもメリットです。

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