「ね、あれ、やってる?」 パリで同じタイミングで出産した同僚ママからの言葉。てっきり母乳の話かと思ったら、それは思いもしない、意外なトレーニングだったと、パリ在住の作家・藤原淳さんは言います。下腹部を引き締め、不調を改善してくれるというこのトレーニング、フランスでは保険診療の対象で、産後のママの間では常識なのだそうです。藤原淳さんの著書『パリジェンヌはすっぴんがお好き』(ダイヤモンド社)からお届けします。

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娘の誕生で、自分より大切な存在ができた

 ラグジュアリー・ブランドの世界に飛び込んで以来、私は幾つもの修羅場を潜り抜けてきました。出張でレバノン、キューバ、イースター島と、予想外の場所を訪れ、世界各地でいろいろな価値観の人と出会いました。社会の変革を唱えるリーダー、既成概念を破るアーティスト、全財産を慈善事業に注ぎ込む実業家など、スケールの大きい人達との出会いにも恵まれました。

 だからといって私の世界観が変わったかといえば、そうではありません。キャリアを通じて学んできたことは私の血となり、肉となり、糧となってきましたが、私を根本的に揺るがすことはありませんでした。

 私の世界観を覆す出来事は、私が38歳になった時、キャリアとは全く別の次元で起こりました。再婚相手との間にできた娘の誕生です。

 正直言うと、それまでの私は「子供が欲しい」などと考えたこともありませんでした。仕事に無我夢中でそんなことを考える余裕すらなかったと言ってもよいかもしれません。周りから「そろそろ産まないの?」という類のプレッシャーが一切なかったことも影響していると思います。

 娘が生まれた瞬間、私はそれまで信じていた天動説が地動説にひっくり返されたような衝撃を受けました。これまで自分のキャリア、自分の幸せを中心に回っていた世の中が、娘を中心に回り始めたのです。この世界に自分よりも大切な存在が出来てしまったのです。

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