2025年4月13日~10月13日の184日間にわたって、大阪で開かれる予定の「日本国際博覧会」(略称「大阪・関西万博」)。開催まで1年を切りましたが、なぜか大きな盛り上がりは見られません。前回の1970年「大阪万博」が大きな熱気に包まれていたのとは対照的です。今回はなぜ静かなままなのか、ジャーナリストの一色清さんに、その理由を聞きました。「AERA with Kids 2024年夏号」(朝日新聞出版)から紹介します。

MENU Q.万博への盛り上がりが見られないって本当? Q.盛り上がらない理由は何が考えられるの? Q.どうして、そうなってしまったの? 

Q.万博への盛り上がりが見られないって本当?

 国際博覧会は「万国博」「万博」「EXPO(エキスポ)」とも呼ばれます。世界各国が参加して、文化や産業、技術、芸術などを展示する大きなイベントで、1851年にロンドンで最初の博覧会が開かれました。日本が初めて万博に参加したのは、1867年のパリ万博。そして日本が初めて万博の開催国となったのが、1970年の大阪万博です。

 その後日本では、「沖縄国際海洋博覧会」(75〜76年)、「国際科学技術博覧会」(85年)、「国際花と緑の博覧会」(90年)、「2005年日本国際博覧会(愛知万博)」(05年)が開催されています。今回の万博開催は、愛知万博から20年ぶりとなります。

 けれども、日本で久しぶりに開かれる国際イベントでありながら、前売り券の販売は伸び悩んでいます。

 また4月に朝日新聞社が行った世論調査で、開催についての賛否を聞いたところ、賛成と回答した人が47%、反対と答えた人は45%でした。多くの場合、開催・開幕が近くなると賛成が増えていくものですが、開幕まで1年を切った時点で賛否が半々ということも、盛り上がりの弱さを表しています。

図版・写真/朝日新聞社

Q.盛り上がらない理由は何が考えられるの?

 まずはパビリオンの建設が遅れていることです。建設業界の人手不足などで建設の準備が進まず、参加国・地域が独自に設計・建設するパビリオン「タイプA」の着工が難航しています。タイプAは、当初60カ国(56施設)が出展を予定していましたが、40カ国程度に減る見込みで、各国が創意工夫を凝らした″万博の華”と言われるパビリオンが少ないと、万博の魅力も薄れてしまいます。

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八木沢由香
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