実際に部活の様子を見に行くこともポイント

――部活の仲間たちとは多くの時間を過ごすことになるので、実際にいろいろな部活を見てみることは重要ですね。

 実際に部活の様子を見にいくと、思ってもいなかった厳しい側面も見えてくるはずなので、自分の目で確認する機会は多いほうがいいと思います。

 僕自身、小学6年生の息子と私立中学の文化祭などに行く機会があれば、積極的に部活を見にいくようにしていて、彼が「この部活、面白そう」と言えば、気持ちを尊重し、否定しないよう心がけています。いろいろな部活を知れば知るほど、「あれもいいし、これもいい」と心が躍り、希望がコロコロ変わるのは理解できますし、本人が感じた「なんだか楽しそう」という気持ちを大事にしたいと思っています。もちろん、「部活には入らない」という選択肢があってもいいと思います。

――子どもの選択や、感じた気持ちを大切にしたいですね。

 中学に入学してからも、子どもが選んだ部活に親が難色を示したり、「違う部活のほうがいいんじゃない?」などと誘導したりしてしまうと、子どもが心から楽しめないし、一定期間続けられない要因にもなってしまいます。部活は、子どもが中学に入学して初めて自らの意思で選ぶもの。「自分で選択する」ことがとても大切だと思いますし、保護者もそうした貴重な機会だと認識し、見守ってほしいと思っています。

(聞き手/古谷ゆう子)

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茂山起龍
中学受験塾「應修会」塾長 茂山起龍

しげやま・きりゅう/1986年生まれ。中学受験を経験し、大学附属校に入学。大学在学中から個別指導塾、大手進学塾などで中学受験指導に携わる。会社経営の傍ら、2011年、東京・西葛西に中学受験指導塾「應修会」を開校。自らも教壇に立って指導を行う。中学2年、小学6年の男子の父。X(旧Twitter)での中学受験についての発信も人気で、フォロワーは1万人を超える。X: @kiryushigeyama

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