それでも、先日の卒業式の祝辞は、珍しくほめてくれました。式典でのスピーチって、ある程度決まった言い回しがあるじゃないですか。そういうスピーチももちろんいいんですが、今回の卒業式の祝辞はもっと子どもたちの心に届くようなものにしたくて、自分なりの言葉で話してみたんです。

息子からほめられた卒業式のスピーチ

――どんなことを話されたんですか?

 今の君たちは「ひよっこ」だ。そして、これからの人生の中で大切なのは、「ひょっとこ」になることだ、という話……とここだけ聞くとちょっと伝わらないかもしれませんが(笑)、要は新しいことに挑戦したり、信じた道を進んだりする中ではいろいろなことがあるけれども、人から笑われることを恐れるなよ、ということです。ひょっとこは人から笑われる存在ですが、それがひょっとこの生きる道であり、その結果、周りの人を幸せな気持ちにしているんだよ、と。そんなことを話したら、会場で大きな拍手をもらって、息子たちも「今回の話はよかったね」と言ってくれました。

そろそろ反抗期 息子にラップでディスられる

――13歳というと、そろそろ思春期では?

 声変わりも始まっていますし、だんだん親の言ったことに反抗するようになってきました。息子は2人ともAB型でね。よく気まぐれとかいうじゃないですか? AB型って。血液型占いが当たるかはわからないけど、少なくとも俺は結構振り回されてます(笑)。

 最近は長男がラップをやり始めて、何でもHey, Yo! みたいな感じで話してきます。ラップはいいんだけど、その歌詞で俺をディスってくるのはどうなんだ?と。散々なこと言ったあげく「パパ、この歌詞、ちゃんと韻踏めてるかな?」なんて聞いてくるので、「韻を踏むとはね……」なんて真面目に答えてます(笑)。

 自分は普段めったに怒らないんだけど、息子が本当によくないことをしたときは本気を出します。例えば、2人のうちどちらか1人を叱ると、もう1人がそれに便乗して相手の悪口を言ったり、追い打ちをかけたりすることがあって、俺はそういうやり方は本当にイヤなので「パパはそういうのが一番嫌いだ」って、真剣に怒ります。こっちが本気だとわかると一応謝ってきますから、反抗期と言っても今はまだかわいいものです。

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