手をつないでみんなでゴール! というようなやり方をするところもありますが、私は反対です。確かに運動は、「できる」「できない」が目立つものです。ペーパーテストの点数は廊下に貼り出されない限り結果はわかりませんが、スポーツは勝敗が明らかです。スポーツのみならず、社会に出ると競争は避けられませんし、負けたときに「悔しい!」と思うからこそ、ではどう工夫したらもっとよくなるかを考えたり、次も頑張ろうと思えたりすると思うんですよ。

 また、日本は勉強と運動は別物だと考えているケースが多く、運動ができない子は「親も苦手だから仕方ない」と理由をつけて運動させないご家庭もあります。しかし、例えばアメリカではハーバード大学に行った後にオリンピックに出たりとか、プロのスポーツ選手をした後に弁護士になったりとか、両立しているケースも数多くあります。勉強か運動かの二択ではないことも多くの親御さんにわかっていただけるとうれしいですね。

――都心部では中学受験に挑戦するご家庭が増える中で、これまで頑張ってきたスポーツを小5、小6でやめる子も多くいます。

 それも勉強か運動かの二択ですね。チームでプレーするのは難しいかもしれませんが、一人でできることを続けたらよいと思います。例えばサッカーなら、壁に向かってボールを蹴ったり、リフティングをしたり。

 もちろんヘトヘトになるまで体を動かすのではなく、適度に運動を取り入れるとリフレッシュにもなりますし、実際に同じ内容を覚えるとき、間に運動をはさんだほうが、記憶力がアップするという研究もあるんですよ。なにより本当に好きならやりたくなるはず。ぜひうまく両立させてください。

(聞き手/稲垣飛カ里)

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稲垣飛カ里
稲垣飛カ里

子育て・教育分野を中心に活動する編集者/ライター。最近の関心ごとは中学受験とおうち英語。プライベートでは小3男子、小1女子を持つ私立小ママ。仕事と育児に追われる日々の癒しは韓国ドラマ鑑賞。X:@hikari_son

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