「おうち英語はリスニングが9割」と翻訳家の鹿田昌美さんは断言します。その理由とは? 単に「英語の音」をかけ流すのではなく、英語そのものを頭に取り込むためのコツを教えてもらいました。「AERA with Kids」(朝日新聞出版)からお届けします。

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「聞く」は英語の貯金を増やしやすい

「おうち英語では、英語のフレーズを英語のまま聞くことを繰り返すのが基本です」と鹿田さんは強調します。

 その理由は、子どもが日本語を覚える過程を思い出せば理解できます。子どもは親などから大量の日本語を聞き、1歳を過ぎたころからようやく話し始め、その後少しずつ「読む」「書く」ができるようになっていきます。

「英語も同じ。正しい英語をたくさん聞いて英語を頭に取り込めたら、正しく話す、読む、書くこともできるようになる。そういう意味では『聞く』はすべての土台ですね」 

 もし自信がないからと日本語の意味やカタカナを見たり聞いたりすれば、英語ではなく日本語を取り込むことになってしまいます。言葉には独特の使い方やリズムがあるので、多少わからなくても、そのまま聞くようにしたほうが効率はいいのです。ここで一番大事なのは「子どもがその時間を楽しんでいるかどうか」。

 興味がない内容だと、耳から耳に抜けてしまいます。楽しければ子どもは英語を頭に取り込もうとするため、「同じ聞くでも英語の入りは全然違う」と鹿田さんは話します。

 子どもの英語学習を鹿田さんは「積立貯金」に例えます。与えれば与えた分だけ、英語のインプット量が貯金のように増えていくからです。4技能のなかでもリスニングは親が英語を聞く環境を作ればいいだけなので、英語貯金を積み上げやすいのです。

英語の音がしっかり入る リスニングSTEP

 正しい英語の音源を「かけ流す」なかで大事なのは、子どもが興味を持ち続けるようにすること。そうしないと子どもの頭に英語のフレーズは入らず、リスニング力は伸びません。

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船木麻里
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