摂食障害は小学生で発症するケースもあります。親はどうやって子どもの異変に気づいてあげられるでしょう。摂食障害のサインや治療法について、この病気に詳しい国立国際医療研究センター国府台病院心療内科の河合啓介医師に聞きました。

MENU 早期発見のポイントは、見た目と行動の変化 少ない専門家 適切な支援につながるには 焦らず、一歩一歩治療を進める 摂食障害を防ぐには

早期発見のポイントは、見た目と行動の変化

  拒食症や過食症といった摂食障害は若い女性に多く、発症のピークは10代半ばですが、小学生でも発症するケースがあります。成長期に低栄養やストレス状態が続くことで、低身長や不妊など将来に深刻な影響を及ぼす可能性も指摘されています。国立国際医療研究センター国府台病院心療内科の河合啓介医師は、こう話します。

「本人は自分が病気だと自覚していないことも多いので、親など周囲の人ができるだけ早く異変に気づき、専門家につなげることが大事です」

 チェックリストを参考に、お子さんを観察してみましょう。

「小学生に多い拒食症はやせが進行すれば見た目でわかりますが、より早い段階で気づくには、食事をしない、肉類など高カロリーのおかずをこっそりきょうだいにあげている、食後すぐにトイレに行くなど、日常生活での変化に目を配ることが重要です。体重や体形にこだわりすぎるなど言動にも注意しましょう。拒食症も過食症も、集中力の低下や抑うつ、不安などの心理症状が表れることも少なくありません」(河合医師)

 逆に日頃から子どもの様子を見慣れていると、小さな変化に気づけないこともあります。

「担任の先生や養護の先生がやせや給食を食べていないことに気づき、早期発見につながった事例もありますから、学校と連携することも大事です。気になることがあれば、先生に様子を尋ねてみましょう」(同)

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熊谷わこ
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