「夜間のオムツがなかなか取れない」「たびたび布団を濡らすので処理が大変」……保護者を悩ます子どものおねしょ。そのうちなくなるだろうと思う一方で、年齢が上がってくるにつれて心配になるものです。おねしょをする原因について、専門家に聞きました。
【図版】夜のおねしょを防ぐ、生活で気をつけたい3つのポイントはこちらおねしょには一次性と二次性がある
一般的に子どもは、3歳半くらいで日中のおもらしがなくなり、その半年後くらいに夜間のおねしょもなくなっていきます。しかしおねしょだけが続いてしまう子、あるいは一度はおねしょがなくなったのに、再びするようになる子がいます。
おねしょは医学的には「夜尿症」と呼ばれ、次のように定義されています。
また、夜尿症は前述したように、生まれてからおねしょが持続している「一次性」と半年以上おねしょが消失していた期間があるのに再発した「二次性」に分けられます。一次性のほうが多く、約75~90%を占めます。
日本の5~15歳のうち、約6.4%(推計約80万人)に夜尿症があると言われ、小児の慢性疾患の中ではアレルギー疾患に次いで多いとされています。年齢別にみると、5歳:15%、6歳:13%、7歳:10%、8歳:7%、10歳:5%、12~14歳:2~3%、15歳1~2%で、年齢とともに割合は少なくなっていきます。
なぜ、おねしょをする子としない子がいる?
「おねしょに悩む子どもは多いのに、それを人に言いにくいという社会的な背景があります」
そう話すのは、順天堂大学医学部附属浦安病院小児科で「腎臓・夜尿症・尿失禁外来」を担当する西﨑直人医師です。なぜ、おねしょをする子としない子がいるのでしょうか。
「尿をためる膀胱(ぼうこう)の容量が少ないことや夜間つくられる尿の量が多いことなどが原因となりますが、それでも尿意を感じて起きられればおねしょはしません。つまり問題となるのは、起きられないことなのです」
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