「詰め込み」「偏差値」というイメージが強い中学受験。「受験のための勉強は子どもの将来に役に立つの?」「難易度より、子どもを伸ばしてくれる学校を選びたい」といった悩みを抱えている親御さんも増えています。思い切って「偏差値」というものさしから一度離れて、中学受験を考えてみては――。こう提案するのは、探究学習の第一人者である矢萩邦彦さんと、「きょうこ先生」としておなじみのプロ家庭教師・安浪京子さんです。今回は理科が好きなお子さんの受験に関するご質問です。

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安浪:得意なスポーツがしたくて受験する話は確かによく聞きますが、理科が好きで受験するという動機も全然不純ではないですよ。むしろとても良い動機だと思います。

矢萩:僕のところ(知窓学舎)では、そういう生徒も多いですよ。どんなジャンルにせよ、やりたいことがはっきりしていたり、好きなことが決まっていたりする生徒はすごく伸びしろがあります。何よりなぜ受験するのか、なぜその学校に行きたいのかがはっきりしているので、提案や指導がしやすいですし、方向性も決めやすいですね。もちろん、現状とのギャップが大きければ、難しさもありますが。

安浪:ただ子どもって、サッカーがやりたくてその学校入ったのに、サッカー部に入らないとか普通にあるんですよね。時間が経つと興味の対象がずれていくことはよくあります。ですから理科が好きで、理科の才能を伸ばすっていうのも中学受験じゃないとダメなのか、っていう話はあると思うんです。今は民間がやっているサイエンスラボや大学がやっているオープンキャンパスみたいなものもありますし。

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安浪京子
中学受験専門カウンセラー/算数教育家 安浪京子

やすなみ・きょうこ/「きょうこ先生」として親しまれている中学受験専門カウンセラー、算数教育家。佐藤亮子さんとの共著『親がやるべき受験サポート』(朝日新聞出版)が好評。最新刊は『中学受験にチャレンジするきみへ 勉強とメンタルW必勝法』(大和書房)。オンラインサイト「中学受験カフェ」主宰。

矢萩邦彦
中学受験塾塾長 矢萩邦彦

やはぎ・くにひこ/「知窓学舎」塾長、多摩大学大学院客員教授、実践教育ジャーナリスト。「探究学習」「リベラルアーツ」の第一人者として小学生から大学生、社会人まで指導。著書に『子どもが「学びたくなる」育て方』(ダイヤモンド社)『新装改訂版 中学受験を考えたときに読む本 教育のプロフェッショナルと考える保護者のための「正しい知識とマインドセット」』(二見書房)。

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