中学受験は親子の成長の機会。「子どもの成績がなかなか上がらない」「子どもが反抗期でコミュニケーションが取りづらい」といった不安な場面でこそ大切な心構えについて、青山麻美さんと鳥羽和久さんに聞きました。AERAムック『偏差値だけに頼らない 中高一貫校選び2024』(朝日新聞出版)から紹介します。
【無料マンガ】中学受験後、息子が母に贈った一輪の花に込められたメッセージとは親が共働きで塾の送り迎えや勉強を見る時間が取れません。
POINT:親のサポートは勉強を教えることではない
最近、親がみっちり付き添い、勉強を教える “親塾”がブームですが、おすすめしません。親の教えるスキルの限界が子どもの学力の限界になること、家が安らげる場所でなくなることなど、デメリットのほうが大きいと思います。親はプリント整理、スケジュール作成、塾と子どもの関係づくりなど、縁の下の力持ち的な部分でサポートし、勉強は塾に任せましょう。もし、成績が安定しないなど学習面で心配があるなら、塾で学んだことをしっかり復習しているか、チェックを。(青山麻美さん)
中学受験を目指す小学生の親に一番必要なのは余裕です。仕事が忙しすぎて子どもと向き合うゆとりがない、逆に自分の時間をすべて子どもの受験に費やす……。違うように見えますが、どちらの親も「私はこんなにやっているのだから、あなたもやりなさい」と自分のがんばりをアピールして、子どもにプレッシャーを与えてしまいます。大切なのは、「お互いやるべきことをやろう。困ったときは助けるよ」という適度な距離感。サポートの仕方は家庭ごとに違ってよいのです。(鳥羽和久さん)
塾がたくさんあって迷っています。どういう視点で選べばいいかわからない……。
POINT:塾それぞれの特徴を理解する
集団塾には「このあたりまで到達しましょう」という目標設定があり、周りと自分の位置を比べながら進んでいくことができます。ただし、常に競争を意識させられる環境です。個別塾は、その子どもに寄り添い、レベルに合わせた授業をしてくれる一方、子どものペース次第では志望校のレベルに達しないこともあります。ただ、どのような塾を選ぶにしても“勉強ができる子=えらい”という世界です。過度な競争が行われていないか、変な上下関係がないかなど、塾の雰囲気と子どもとの相性を考えましょう。(鳥羽和久さん)
大手塾は膨大なデータに基づいたオリジナルカリキュラム、志望校別授業、ベテランの講師陣などが魅力です。一方、小規模塾の良さは、アットホームな雰囲気や塾と密に連絡が取れる点でしょう。テキストは市販のものを使うのが一般的なので、志望校レベルの力が養えるのか考える必要があります。いずれにせよ、学力に合わない勉強をしても力になりませんし、塾との相性もあります。見学や体験授業などを通して、塾の雰囲気やカリキュラムをチェックし、子どもの学力、塾との相性を軸に選びましょう。(青山麻美さん)
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