「詰め込み」「偏差値」というイメージが強い中学受験。「受験のための勉強は子どもの将来に役に立つの?」「難易度より、子どもを伸ばしてくれる学校を選びたい」といった悩みを抱えている親御さんも増えています。思い切って「偏差値」というものさしから一度離れて、中学受験を考えてみては――。こう提案するのは、探究学習の第一人者である矢萩邦彦さんと、「きょうこ先生」としておなじみのプロ家庭教師・安浪京子さんです。今回は「子どもが学習したことを話してくれない」と悩むお母さまのお悩みです。

MENU ■シンプルにしゃべりたくないだけ、の可能性も ■親からの攻撃をシャットアウトする言い訳? ■「その手には乗らないぞ」というバリア?

*  *  *

矢萩:まずこのご相談は大きく二つに分けられます。まずは一つ目の「母親相手だと話してくれません」という問題を考えていきましょう。この原因は、単純にやっていることを母親に話すのが恥ずかしいというパターンもありますし、わかっていないことがバレたくない、自分の出来具合を母親に把握されたくないという場合もあります。思春期にさしかかっている子どもなら、それなりのプライドもあります。母親に話すことが恥ずかしい、という場合はそれだけだったらとくに問題はないので、放っておいてあげたほうがいいです。

著者 開く閉じる
安浪京子 矢萩邦彦
安浪京子 矢萩邦彦

安浪京子(やすなみ・きょうこ)/「きょうこ先生」として親しまれている中学受験専門カウンセラー、算数教育家。佐藤亮子さんとの共著『親がやるべき受験サポート』(朝日新聞出版)が好評。最新刊は『中学受験にチャレンジするきみへ 勉強とメンタルW必勝法』(大和書房)。

矢萩邦彦(やはぎ・くにひこ)/「知窓学舎」塾長、多摩大学大学院客員教授、実践教育ジャーナリスト。「探究学習」「リベラルアーツ」の第一人者として小学生から大学生、社会人まで指導。著書に『子どもが「学びたくなる」育て方』(ダイヤモンド社)『新装改訂版 中学受験を考えたときに読む本 教育のプロフェッショナルと考える保護者のための「正しい知識とマインドセット」』(二見書房)。

NEXTシンプルにしゃべりたくないだけ?
1 2 3 4