乾燥に強いとか、日陰に強いとか、どんな草にも必ず特徴があって、それを生かして生きている植物がたくさんあるんだ。だから必ずしも花壇のなかに入る必要はないんじゃないかな、って思う。花壇の外で生えてもいい、っていうか。人間の社会も、個性や好きなことを伸ばすことが認められるように、だんだんなってきている気がするよ。

 勉強を嫌いになる原因って、評価とか順位が関係しているらしい。美術を嫌いになるのも中学生が最も多いらしくて、成績をつけられることで、好きで描いていた絵が嫌いになるというパターンが多いみたいなんだ。せっかく「楽しく勉強したい」って思っている気持ちを家族からの評価でなくしてしまうのはもったいないなあ、って思った。

 よしおも「一発屋」っていう周りの評価に翻弄されていた時期があった。人気番組にあまり出なくなった自分が嫌になっちゃって、「じゃあこの番組に出るためにはこういうことをしよう」って考えて行動していた。本当の目的は「人に笑ってもらいたい」なのに、相手の基準で行動が変わってしまったんだ。ひな壇とかがあまり得意じゃなかったのに、そこに向かって頑張っているのがすごくしんどかった。

 でも「一発屋」っていう言葉は、テレビに出ているか出ていないかっていう基準で相手が見ているだけのこと。よしおは「子ども向けのネタをやる」っていう自分のものさしができてから、気持ちが楽になったよ。

■自分の「ものさし」で考える

 苦しかった時期は、自分が夢中になれることとか、自分にできることは何だろう、って考えたんだ。コントとかトークとか順序だてて笑いを取るのは苦手だけど、からだを動かしたり脈絡もない造語をつくったりするのは好きだから、一発ギャグをたくさんつくろう、って。自分に向き合ったというのかな。もちろんすぐに結果が出たわけじゃないけど、ちょっとずつ手ごたえを得ていったよ。

 だから、アラパも自分と向き合って何が得意なのか、好きなのかってことを考えるのはいいんじゃないかな、って思う。進学する大学も、「家族がみんな進学しているから」じゃなくて、「自分はこういう勉強がしたいから」っていう自分のものさしを見つけられたらいいのかな、って思った。

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