そんな話をして、家族の中で複数人で1人を責めたり仲間外れにしたりするのは絶対にやめよう、という努力義務を課しました。それは私たち両親も同じ。母が叱っていたら夫は一緒になって叱らない、少数意見を否定せずに「そういう考えもあるね」と受け入れる……。

 などですが……。いや、これ結構難しいです。ついつい夫が子どもを注意していたら「そうそう! ほらあのときも……」などとネチネチ同調したくなっちゃうのは人の常。心の強さが試されます。もちろん今も兄弟ケンカはあるし揉めること自体がダメとは思っていません。多少のいざこざは夫婦でもあることで、話し合って改めてわかることもあるしね。

 仲間外れのきっかけになりやすい「ずるい」は「いいな」に言い換える。1人だけ違う意見があればバカにせずにいったん受け止める。各家庭内で親子やきょうだい同士でのちょっとした気遣いが習慣になれば、集団生活の水槽に入ったときにいじめの抑止力になれるかもしれない。

 そんな期待もちょっとしつつ進めているキャンペーンですが、実は意外な成果が……! いじめの話を日頃からしていたためか、あまり学校の話をしなかった長男がクラスの様子や高学年ならではの友だち同士のトラブルをよく話してくれるようになったんです。「こんなときお母さんだったらどうする?」なんて長男が意見を求めてくれること、下手すりゃ一生ないんじゃないかと思っていたので(諦めすぎ)、反抗期を前にコミュニケーションが増えたことにこっそり頬が緩んでいる母なのでした。

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コミックエッセイスト tomekko

中1、小3、年長の男子3兄弟に夫とほぼ男子校な日々を送っている“ポンコツ母さん”。『AERA with Kids』の「脱・カンペキ親修行」では、鋭い観察眼で子育てや家族、夫婦、教育などについて連載中。Instagramでは13万以上のフォロワーに日々育児絵日記を投稿。インスタアカウント @tomekomet

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