5月末、「週刊朝日」は101年の歴史に終止符を打った。

MENU ■大学別の登場回数1~4位は? ■「女子大生表紙」リストから読み解く大学史 ■「週刊朝日」表紙にも反映された“短大離れ” ◆募集停止した短期大学(カッコ内は表紙モデル掲載年。北から南へ地域順) ◆現存する短期大学(カッコ内は表紙モデル掲載年。北から南へ地域順)

 同誌にはさまざまな人気企画が掲載されていた。なかでも1980年代から90年代にかけて、一世を風靡(ふうび)したのが、篠山紀信氏などが撮影した「女子大生表紙」である。どのような大学が登場したか、その後、女子大生たちはどうなったかをまとめてみた(カッコ内は表紙モデル掲載年)。

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 1980年代の女子大生表紙モデルからは俳優を送り出した。

 熊本大の宮崎美子さん(1980年)、聖心女子大の真野あづささん(80年)、慶應義塾大の田中理佐さん(85年)、日本大の大塚寧々さん(88年)、法政大の青山知可子さん(88年)などである。田中さんは芸能界を引退しており、夫は前国会議員、石原伸晃氏である。

 1980年代半ばから、「局アナ」と呼ばれるアナウンサーが生まれている。

 上智大の河野景子さん(85年)、法政大の小島奈津子さん(90年)、早稲田大の下平さやかさん(91年)、松蔭女子学院大(現・神戸松蔭女子学院大)の進藤晶子さん(92年)、東京大の膳場貴子さん(94年)などが存在感を示した。2000年代以降には、京都大の八木麻紗子さん(05年)、成蹊大の畑下由佳さん(12年)、成城大の太田紅葉さん(16年)などがいる。

 1990年代にはバラエティー番組などで活躍するタレントが現れた。

成城大の栗尾美恵子さん(90年)、東京大の高田万由子さん(91年)、立教大の乾貴美子さん(94年)などである。栗尾さんは前夫が若乃花(現・花田虎上氏)で、「花田美恵子」と名乗って芸能活動をしていた(現在はMiekoとして活躍)。なお、花田虎上氏の弟、花田光司氏(元横綱貴乃花)の前妻は、前出、上智大出身の河野景子さんである。かつて角界で注目された花田兄弟(若貴兄弟)は、「週刊朝日」表紙女子大生と縁があった。

■大学別の登場回数1~4位は?

 大学別に見てみよう。

 1位は早稲田大18人。

 早稲田大最初の表紙モデルは1981年に誕生した。彼女は卒業後、銀座の商業施設に勤めていた。夫は日本オリンピック委員会(JOC)会長で柔道の五輪金メダリスト、山下泰裕さんだ。

 小川紗良さん(2016年)は映画監督、俳優、作家という3つの顔を持つ。NHK連続テレビ小説に出演したことがあり、映画ではいくつか主演をつとめた。映画監督として「あさつゆ」「最期の星」「海辺の金魚」などを撮っている。早稲田大文化構想学部在学中、学内報のインタビューでこう話している。「是枝裕和先生(映画監督・理工学術院教授)に『BEATOPIA』の脚本を見ていただいたりもしたのですが、世界的に評価されている先生方と話ができたり、演劇や映像制作が盛んな校風であったり、映画作りのための環境はとても恵まれていますね」(「早稲田ウィークリー」16年11月)

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小林哲夫
教育ジャーナリスト 小林哲夫

1995年より『大学ランキング』の編集者。『筑駒の研究』(河出新書)、『学校制服とは何か その歴史と思想』 (朝日新書)、『女子学生はどう闘ってきたのか』(サイゾー)、『旧制第一中学の面目』(NHK出版新書)、『東大合格高校盛衰史』(光文社新書)、『早慶MARCH大激変 「大学序列」の最前線』(朝日新書)など、教育・社会問題についての著書多数。

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